「ま、待ちやがれ!!」

ショウ王子の発言にその場にいる人間全員が彼を見る。

「…何かな、ショウ王子。」
「ソイツは俺の婚約者だっ。」

彼はそう言って、キョーコを指差すため、な!?とキョーコは何かを言い返そうとしたが、クオンが彼女を庇うように前に出て、

「そういえば、そうだったね?“元”だけど。」
「な!?」
「だって、そうだろう?彼女は君と結婚するのを嫌がって居なくなったんだから。それに俺が彼女と結婚したいと手紙を送ったら、彼女の国は彼女の意思を尊重するって回答してきたよ。」

なんなら、その手紙持ってくるけど?とクオンはニコニコ笑う。

(い…いつの間に…。)

その話を聞いたキョーコは、クオンが自分の知らないとこで、祖父の承諾をもらっていたことに彼女は目を白黒させた。

「な、なんだと!?アトカキを敵に回すつもりか!?」
「敵に回す…?冗談は止めてほしい。君が今、彼女の国と俺の国を敵に回そうとしてるんだよ。」

クスとクオンは笑うが、目が完全笑っていない。

「…!?」
「わかったなら…もう二度とその口を開かないことだ。」

しかし、最後はその微笑みすら消えて、ショウ王子を目で殺せるくらい睨みつけ、

「っ…!!」
「しょ…ショウちゃん!!」

怯えた表情をしたショウ王子はその場を走って去っていき、それをミモリが追いかけた。

その場の空気が一気に重くなる。

「…父上。」
「な、なんだ。」
「そういうことなので、あとで面会をお願いします。」
「あ、ああ…。」

息子に面会を求められて、王は頷くと

「行こうか、キョーコ。」
「え…?きゃ…!」

クオンはキョーコをお姫様だっこした。

一気にその場の空気が嘘のように黄色い声があがり、ウットリされた視線の中、二人は退場した…。

その後、クオンとキョーコは国民に祝福され、結婚し、双子の子供に恵まれて、末永く暮らしたそうな…。

ちなみにショウ王子は両親である王と王妃にこってり怒られて、ミモリを妃にしたらしい。

めでたし、めでたし。


おわり


゜・:,。゜・:,。★゜・:,。゜・:,。☆

あとがき

先に謝ります。

すみませんんんんんん!!

パラレルって思いのほか、難しいです!!

そして長い間書いてなかったから、頭の中にあった設定消えました。

こんな下らないものになってしまって…うう…すみません…やっぱりモダンがいいよぅ。

さて、実はそのモダン系で半パラレルな連載を考えています。

題名は「貴方の隣で私は密かに咲く」

いや、長いか…題名。

コンパクトにしようかな…もっと…。

それではノシ


ローズ