確りと発声出来て唄えるのは、大変気持ちの良いものです。
昔はまともに唄えようが、そうで無かろうが勢いに乗じてしまえば如何でも良いという気持ちも在って。

しかしそれは上手く唄う事の出来ない自身の言い訳に依る逃げの一択でも在ったのだろうと、今では素直にそう思えるんです。

公演目での一曲も、以前より遥かに大切に唄える様に成った。

単独巡業『光芒一閃』皮切りの名古屋、そして大阪での公演を終えたばかりでは御座いますが。
今巡業に懸ける想いと臨む姿勢の面では人一倍強いつもりです。
喉に対するケアや発声も以前に増して行うようになったし、息苦しくてクソ嫌いだったマスクも今では毎日着用して居ります。

前巡業『転生輪廻』での声帯炎に罹って、声帯結節へと発展し掛けてしまったあの頃も。
今では良い教訓として活きて居る気がします。
心底悔しかったし、あんな思いはもう二度としたくも、観せたくも無い。
幸い切っ先から舞台上も大変良い空気感で臨めて居るので、その面でも大きな相乗効果を齎せて居るのだと感じられます。
近年の巡業では一等良い雰囲気なのかも知れないな。

長年の活動とも成れば、意識の面では都度引き締めようと心掛けても、何処かで誰かしら(大体僕です)不穏な空気を発してしまう事が有ります。
ぎすぎすしてても、誰も得なんてしないよね。

あとは新曲達がめっちゃ良い!!笑。
元々「閃光」は好む傾向に在る楽曲では無いんだが、わりと早い段階で受け入れられた自分が居て。
コレも成長です?ええ、そうですね。

「命日」も「狂ィ」も徐々にその形が固まりつつ在ります。
そして、今作は個人的趣向で述べるのならば、何と言っても「遊郭-再構築-」ですね。

本気でコッチを表題にして仕舞痛かった程に、俺はこの曲に対する愛が深過ぎて自分でも引く。
コイツを演る時が一番切り替わる瞬間でも在って、豹変出来るかな。
唄録りにも他の新曲より断トツに時間を掛けたし、都度録り直して完成形を追求し続けたのでね。
そりゃあ思い入れは一層深い。

戸惑いに受け入れ難い感情、そして反射的に原曲での動きが染み付いて離れて行かないと云う気持ちも理解ります。
再録もそうですが、再構築に於いては尚の事だと思います。

唯一つ言えるのは、

原曲の「遊郭」を否定するつもりも無く、あれはあの形が完成形でした。

十一年間連れ添ったこの楽曲も、再演企画での『龍驤虎視』を最期に昇華を迎えました。
再構築に於いては新曲として考えて居るので、新たなノリを創って行けたらと云う一心です。

今衣装での公演も皮切り時には未だ苦戦を強いられて居たけれど、大阪での公演を経て、上手く活かせる自分なりの表現が見出せ始めて来た気がする。

必ずや良い巡業だったと思えては、見事そう思ってもらえる形を築いて行きたいです。

単独巡業『光芒一閃』
千秋楽を迎えます、其の日迄。

改めて宜しく願い申し上げます。