せっかくイヤホンで格好良いジャズ聞いてるのに

後ろのTVから聞こえてくる中田さんの美声がどうにも気になる、こんばんわ



嬉しい事があった日は、大抵酒を飲んでいるが


後悔したり、自分がフワフワした時も酒を飲む


だから私は結局毎晩、酒を飲んでいる


これ、逃避、と

人は言う



こんな時は文学も効果的だ

私は言葉が好きだから


音楽も良いけど

中島みゆきは、更に凹んでヤバそうだし

普段は太宰が好きだけど、これもまたヤバし


だから歌詞のないジャズを聴きながら

三島を読んで見た



金閣寺



皆様、読まれた?


私はこの辺一式

有名なものは大概中学生の頃に呼んだ


図書レースなるものがクラスにあり

一冊読むとシールを一枚貼れる

それが掲示板に張り出されてあり

私は常にそのトップだった


だけど

読んだ殆どは正しく理解出来ていなかったと

今、読み返すと思う


あの図書レースは

私に読書の習慣をくれたが

先生の本来の目的は果たせなかったと思う

やめた方がいい

シールの無駄だ


でも

中学校で太宰を読み耽る私は非常に先生に可愛がられ

放課後煙草を吸っている、なんていう噂ももみ消してくれたから

とんとんって、ことで


良い子の皆は真似しちゃダメだぞ



私は太宰を愛するあまり、三島を毛嫌いしていた時期もあったが

読めばやはり、良いものは、良い


それに

仲の悪かった彼らだが

共通するものを見付けることも、ある


どちらも美意識高く

表現力に長けていて

落ちて行こうとする者も、高みを目指そうとする者も

元を正せば同じ一点を目指しているのではないか?

とも思えるから、あら不思議



現実の金閣寺とイメージの中の金閣寺と

どちらが美しいかの問いは


私にしてみれば愚問だ

どちらも愛せば良いじゃないか


私は彼のように繊細じゃないから

面倒になって、ひと括りに愛してしまおうと思う

多分、女だからなのだろう


繊細に追及しようとするから

焼いてしまおうと思うのだ


だけど

理解出来ない訳じゃ、ない


主人公の境遇と時代背景を鑑みれば

まさに変わりゆく世に嘆いていた三島の胸中が覗き見えるようで切ない


音という流れ行くもの

普遍ではないものへの美も

よく、理解出来る


私がたったひとことのアニメのセリフに捕らわれるのと、似ている


それは流れていき、二度と耳にすることは出来ない

(いや、今やDVDで何度も再生しますけど)

(それでも最初に聞いた感動は、その後の比では、ない)


流れて消えるから声は美しく

それを発した人が今まさに生きているから聞けるもので

いつかは、どんなに望んでも聞けなくなるものだから

それを予見する程に物事を知ってしまったから


それは

より、美しい



つまりは

期限付きの美って、ことだ


この期限付きに

人はとても弱い


若さも

人の命も

愛情も


終わりがあるから輝ける



あっという間に消えゆく花火が美しいのも

首を落とす前の椿が美しく咲き誇るのも

道理だ






だったら

私は


君は


どう生きましょうか?








期限ある命を