「9枚目&10枚目の旗の裏話」~9月5日のはなし~ | 【心声(ココヘ)プロジェクト】

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今日の「正義」が明日の「悪事」。明日の「悪意」が未来の「正論」。
今を生きる人が為すべきこと。「今」を「未来」に繋ぐこと。



9月5日(木)





この日、
午後の仕事を早く切り上げさせてもらって
若林区に向かいました。

これまでは
愛媛県松山市の
ヨネヤ旗店さんと荒瀬染物店さん
2店にお願いして旗を作ってもらっていました。

が!
初めて宮城県の旗屋サンにお願いした今回。
理由(言い訳)が色々とありました。

港の活動が慌ただしくなったのと
午後の仕事が忙しかったこと(言い訳)とか、

夜、巣に帰ってきて風呂入って洗濯すると21時、
「明日も早い。寝よう」な日々(言い訳)だったり、

7月末くらいから
夏ばて&精神衰弱的な感じで
なかなか原案ができなかったのです。
(ここまで全て言い訳)

あとは、兄の初盆&一周忌があったもんですから
しょっちゅうしょっちゅう
日本海側に帰っていたのもあります。

バタバタしていたんです。
(言い訳終わり)

……というわけで、

「船が来るまで旗が間に合いません」

と言う状況に達しまして。
困った私は、

①頻繁に連絡が取れて
②あわよくば直接受け取りにいける距離

――にある旗屋サン、を求めたのです。



ある日、調査のため磯浜にやってきた佐々木先生
(坂元中学校&支所に本を寄贈してくれた東北大の先生)
に、「旗屋サン知りませんか?」と尋ねてみたのです。

「ん~、いや~、ちょっとわからないけど、聞いてみます」

と快く!お返事してくれた佐々木先生。
その日の午後(4時間後くらい)にお電話を戴きました。

「若林区のほまれ屋さん。大漁旗も作ってるみたいだから聞いてみて」

佐々木先生、すぐに探してくれました(;Д⊂)
忙しい中、こんな奴の尋ねごとを……。
とてもありがたいことでした。



……そんなわけで、
早速HPから「株式会社 ほまれ屋 」さんを検索。
メールで自己紹介。
これまでの旗の画像を
ケータイから探すのに手間取ったため
このブログの旗の画像をぺたぺた。

……アーンド、突拍子もない無理をお願いしたところ。


すぐにお電話いただきました^^

「はじめまして~。Sと申します。」
「製作時間が短すぎますよ~」
「進水式の時期は知ってらしたんでしょう~?」

と、お叱りを受けました!
(当然の話)


だから、てっきり
「あーやっぱりダメかぁ」
って諦め加減でした。

でもSさん、
「時間がなさ過ぎるから、細かいのはできませんけど」
「なんとか職人に作ってもらうよう頭下げてお願いしますから」
「頑張ってみましょう!」

そう言ってくれたのです。

Sさんは船旗(大漁旗)専門の担当さん。
その日のうちに、
「色はコレで、デザインはこっちとこっちでどうですか?」
と画像を送ってくれました。

無理なお願いをしたうえ、
短期間製作という難題を押しつけたにもかかわらず
すごく親身になってくださりまして……。

デザインも決まって、
「じゃあコレで職人さんにお願いしますね!」
となった時点で、9月5日まで約2週間。
「5日までには完成させて、届くようにしますから」
とまで言ってくれました。


そして5日、
仕事を切り上げて若林区へ。

この日は大雨が降ってました。
初めて、港の格好のままで若林区へ降り立ったわたくし。
雨の日なので絶好調の長靴装備です。

お店がわからず、おまけに渋滞で
閉店時間が18時にもかかわらず
Sさんは18時5分に到着した私を
親切に迎えてくれました。

ほまれ屋さんの店舗内には
たくさんの染め物やお祭り製品。
仙台市のお祭り「すずめ祭」の法被なども
受注しているようです。

ちりめんとか、和風柄とか、
そういう小物が好きな私としては
普通に購入したかったのですが
これ以上時間をとるのも
アレだと考えたので
手ぬぐい2本とTシャツ1枚のみ購入して
あとは次回に購入しようと思い涙を呑みました。
(しっかり買ってる↑)



そしてこのとき、初めての「はじめまして」。
柔和なミドル紳士、といった
声や対応からのイメージ通りのSさん。

「写真が撮りたいので箱には入れないでおきますね」
電話でおはなししていたとおり、
すぐに写真が撮れるように計らってくれました。

そのとき、写真を撮るために持ってもらったのが
この2枚。



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キレーな青。
キレーな赤。
2枚の旗がありました。

このとき、
「間に合って良かった」とか思うよりも
「ホントすみません」とか
「本当にありがとうございました」っていう
申し訳ないような気持ちばかりがありました。


閉店後にやってきたにもかかわらず
それから1時間くらいもSさんとお話ししてました。

何度も上記のようなことばっかり言ってました。
頭を下げて職人さんにお願いしたであろうSさん。
私が職人だったら、
「2週間だ!?そんな仕事もってくんなよ!」
って言うところです。
てか、絶対言ってます。

職人さんは手抜きなんかしないだろうし
作品=プライドそのものであると
私は、思ってます。

いくら「製作期間が短いから」と言って
いい加減なモノを外に出すことは
自分で自分を落としてしまうようなモノ。
本気を出せないような、
短期間製作の依頼などであれば
私は、最初から断ります。

だけど、Sさんはそれを押してくれたんだろうなと思って。


でもSさん。
「県外から来てこんな風にやってる方が居るのに」
「私は地元にいるのに、何もできないから」
「これは絶対にお手伝いしなければって思ったんです」

って言ってくれた。
泣いた。笑


つくづく、
港に関わる人たちに恵まれてる。
そんな運が働いてる気がしました。


名残惜しかったモノの。
この日、私はそのまま翌日(6日)に
兄の一周忌があったため日本海帰り。

ほまれ屋さんのお兄さんやお姉さん、
Sさんに挨拶して退店。

「雨に濡れるから」
と、旗を入れた袋を丁寧にビニールで包んでくれました。

こういうのが、
職人とSさんの信頼関係なんだなあと思いましたね。


職人さんの作る旗に絶大な自信を持っているSさん。
職人さんの旗を大切に扱うSさん。
語弊があったら嫌なんだけど、
「お客さんの商品だから」ではなく
「職人の旗を万全の状態で届けること」に
Sさんが気遣いしてくれること。

それが、職人さんとSさんの信頼関係であり
Sさんの(私による)無理なお願いを
職人さんが成してくれた、っていう
結果なのかなと。

こういう、
職人さんと、それを惹き立てる人
って言う関係は素敵だな、と思いました。

そういう、今回も素敵なご縁に恵まれまして
2枚の旗を無事に受け取ることができました。

このあと、
私は若林区から亘理郡まで戻り
「旗を届けてくれる」というJさんに旗を預け
白石に向かい、
村田ICで高速inする予定が
気がついたら高速の横を並行して走っており
気がついたら何故か「秋保」と言う看板を見つけ
(ここまで2時間放浪)
宮城川崎からようやく高速in、山形までビューンしたのですが
深夜1時30分に電池切れ。

秋田のとある駐車場で休憩。
目覚めて少し走ったモノの眠いので
スーパー駐車場で就寝。
目ざめて6日朝5時半。
実家について7時でした。。。


なんともまあ慌ただしい1日でした。
そして翌々日の7日。
Jさんが漁師さん2名に旗を届けてくれたようで。
明神丸さんからお電話を戴きました。

「旗もらったぞー。あんがとな」

いえいえ遅くなってすみません、
……と言おうとしたところ。

「つがよー、今日、仏滅なんだけども」

あっすみません。そこまで脳が働きませんでした。。。



でも旗を立てるのは大安の日ですから、
と自分でフォローしましたが。
そこまで頭が回りませんでしたよ。

あやまるなや~。


そんな2枚の旗の裏話。
今まででいちばん焦った旗たちですが、
シンプル旗、かっこいい。

色が素敵でした。



今回、とてもお世話になった
ほまれ屋さん、Sさん、職人さん
本当にありがとうございました。

Jさんの話では、
「昔、支所でほまれ屋サンにタオル(名入タオル)作ってもらったはず」
と聞きました。

偶然の縁でしたが、
縁ってやっぱり輪なんだなと思ったりしました。


また近々、お願いしようと思っています。

作る旗は、あと7枚。
それぞれの旗に、
私自身がいろんな思い出を作ってもらっています。


この大漁旗の製作資金は
ステッカー等、磯浜応援商品の売り上げより
使用させていただいております。

ステッカー大・小
マグネット大・小
受注生産 トラック用ステッカー 等

見かけた際は
是非宜しくお願い致します。

これまで10枚の旗を贈ることができました。

遠くから磯浜を見守ってくれている
多くの方々へ
今回も2枚の旗を無事に
2人の漁師さんに贈ることができました。


いつもありがとうございます。





ドルト.