————— side Ryohei.C
 
 
 
3人ともソロ活動の仕事で会う機会がないけど
 
 
それでも会いに来たお前らには運命を感じても良いよな・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
慶太のソロ活動から始まって龍一もバンドでのソロ活動を始めた。
 
俺もダンスでのソロ活動を始めて、今は新しい舞台の稽古をしている。
 
 
w-inds.での仕事はないけど、たまに慶太に会ったり龍一に会ったりしているだけ。
 
 
 
リーダーだから弱音は吐かないけど、寂しくなるって言ってた龍一の気持ちがわかった気がした。
 
 
 
 
「・・・よし、涼平君、そこのてころもう一回やろうか。」
 
涼「はい。」
 
 
 
 
俺が主役だという今回のダンスの舞台を成功させたくて練習するのに必死だった。
 
 
 
 
 
 
 
何時間か練習をして舞台の稽古は終わった。
 
帰っていくダンサー達に一言伝えながらズレたニット帽を被り直した。
 
 
 
 
「あれ、涼平さんまだ帰らないんですか?」
 
 
 
 
ニット帽を被り直した俺に気付いたのか愛地君が話しかけてきた。
 
 
 
 
涼「うん。何回か練習しないと覚えれないからね。」
 
愛地「無理しないでくださいね。」
 
涼「ありがとう。」
 
 
 
 
お疲れ、と言えば愛地君はお辞儀をしてレッスンルームを出ていった。
 
 
 
 
涼「・・・さてと。」
 
 
 
 
始めますか
 
 
小さく呟いてからラジカセに手を伸ばした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
自分でダンスの練習をして気付けば時計は深夜の11時を指していた。
 
 
 
 
涼「・・・帰るか。」
 
 
 
 
帰る支度をしてからレッスンルームの電気を消して部屋から出たときだった。
 
 
 
 
涼「・・・あれ?」
 
 
 
 
深夜だから薄暗くなってきた廊下にポツリと立っている小さな人影。
 
 
俺の足音に気付いて振り向いた人影は13年前の俺で
 
 
 
 
涼「え、なんで・・・」
 
 
 
 
なんで13年前の俺がいるのだろうか
 
 
そう思ったのと同時に突然走り出した彼
 
 
 
 
涼「ぁ・・・待って!」
 
 
 
 
彼を追いかけようと俺も急いで走った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
必死に走り続けて彼が立ち止まった場所は1つの建物で、見上げる彼につられて建物を見て気付いた。
 
 
 
 
涼「・・・寮だ・・・」
 
 
 
 
東京に来てから3人で過ごした寮が目の前にあって
 
ふと入口を見ると横にいたはずの彼が入口の中にいた。
 
 
 
 
『早く来てよ』
 
 
 
 
そう言って階段を上っていた彼を見て、俺も中へ寮の入った。
 
身体が覚えているのか、階段を上がっていけば住んでいた部屋へ行く。
 
 
その部屋の前にいた彼は俺を見るとフワリと微笑んでドアの向こうへと消えた。
 
 
 
俺はゆっくりとドアの前に立って、少し見つめてからドアノブを掴んで開いた。
 
 
 
 
 
 
 
 
『あ、お帰り涼平。』
 
涼「え?」
 
 
 
 
不意に聞こえた龍一の幼い声
 
 
そっとリビングの扉を開くと、そこには13年前の時の記憶が目の前に広がっていた。
 
 
 
台所で料理を作ってる13年前の龍一
 
テーブルに食器を並べてる13年前の慶太
 
 
そして・・・
 
 
 
 
『お、ケーキ!』
 
『慶太も食べれるように甘さ控えめにしたんだ。』
 
『早く食べたいよー。』
 
『もう少しだから待とうぜ、慶太。』
 
『はぁい』
 
 
 
 
テーブルの真ん中に置かれたケーキを見て目をキラキラさせてる13年前の俺
 
 
 
その俺が言った言葉で思い出した特別な日。
 
 
 
 
涼「そっか、もう少しで・・・。」
 
 
 
 
特別な日がくる
 
 
 
そう思った瞬間、目の前の光景は次第に景色を変えていって
 
 
次に見えたのは、ソファとテーブルの椅子に座ったまま眠ってる今の龍一と慶太。
 
 
その龍一がいるテーブルには、小さなサイズのケーキとオレンジジュースがあった。
 
 
 
 
涼「・・・来てたのか。」
 
 
 
 
ソロ活動で忙しいはずの龍一と慶太を見て今までの疲れが消えた。
 
 
 
 
龍「・・・んー・・・」
 
 
 
 
自分の中で思ってたら龍一が唸り声を上げながら顔を上げて起きたのがわかった。
 
そのまま後ろを向いたから俺がいることに気付いたのか
 
 
 
 
龍「え、涼平いつ来たの?!」
 
涼「さっき来た。」
 
龍「さっき・・・ちょ、と待って。」
 
 
 
 
慌てながら龍一は慶太に近付いて、慶太起きろと言いながら肩を揺すりだした。
 
 
 
 
慶「ん・・・何?龍一君。」
 
龍「いいから起きろって!涼平来たから!」
 
慶「え?!やば・・・!」
 
 
 
 
龍一の言葉に慶太も慌てて起きた。
 
 
 
 
龍「ぁー・・・時間ないや。」
 
慶「でも乾杯は出来るよ。」
 
龍「そうだな。」
 
 
 
 
涼平、早く座れ
 
 
龍一に言われて椅子に座ると向かい側に慶太が座って、龍一がオレンジジュースを3つのコップに注いだ。
 
 
 
 
慶「間に合ったね。」
 
龍「あと1分だけどな。」
 
 
 
 
それを聞いてから時計を見たのと同時に重なった2つの秒針。
 
 
 
 
涼「・・・龍一、慶太。」
 
慶「ん?」
 
龍「なんだ?」
 
涼「ずっと俺と一緒にいてくれて、ありがとうな。」
 
龍「・・・俺の方こそ、ありがとう。」
 
慶「僕も、2人に感謝してるよ。」
 
涼「これからも、よろしくな。」
 
慶「こちらこそ」
 
龍「よろしくな。」
 
 
 
 
お互い言葉を伝えてから皆でコップを手に持って顔を合わせてから笑った。
 
 
言う言葉は皆同じだった。
 
 
 
 
「「「We are w-inds.!」」」
 
 
 
 
カチャリとコップを鳴らして1つの言葉を言った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
一緒に歩んできた道
 
お互いを支えながら走った道
 
 
これからもずっと慶太と龍一と一緒に駆け抜けていく
 
 
 
何があっても3人で走り続けていきたい
 
 
w-inds.と共に・・・
 
 
 
 
 
 
 
           END
 
 
 
 
 
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Happy Birthday w-inds.!!
 
やっとデビュー日の内に書き上げることができました!
今回は涼平sideで書かせていただきました。
 
 
私がw-inds.に出会ったのは2003年の紅白。Long Roadを聞いてからw-inds.が気になって
2004年の夏にw-inds.のアルバムを買ったてからファンになって今年の夏でファン歴9年
 
これからもずっとずっとずーっとw-inds.を応援し続けていきます。
 
 
w-inds.デビュー13周年おめでとうございます。ずっと大好きだからね!