私がスウェーデンに来た30年近く前。できるだけ安い航空チケットを選んだらタイ航空で、フィリピンのマニラやタイのバンコクを経由するという、ずいぶん遠回りの道のりとなった。その飛行機の中には、たくさんの単身の日本人中年男性が乗っていた。
隣に座った中年男性は、山岡荘八の武将ものの小説をずっと読んでいたのを記憶している。
マニラに着くと、それらの単身日本人男性は一斉に飛行機を降りた。
山岡荘八ファンのおじさんもその一人だった。
あー、彼らはきっと・・・
と思ったが、その人数があまりにも多かったので、印象に残っている。
スウェーデンに着いた後、その話をすると、
そんな話、スウェーデンにもあるよ~。ヨーロッパの白人女性は、ジンバブエに行って若い黒人男性と遊ぶのさ
と言われた。
そんな習慣は70年代からあったらしいが、それは今でも続いているらしい。
年配のイギリス人女性は、どうしてガンビアの若い男を探しているのか?
というこのドキュメンタリー ↓ を見てわかった。
レポーターのセイさんという男性が、旅行者の白人女性に群がる若いガンビア人男性を取材した番組。
最初の数分を見て貰えばわかるが、彼女らは決して若くない。身体の肉もぶよぶよのオバサンもいれば、杖をついているオバアサンもいる。本国では女性として見られることがない彼女らに、たくさんの若い男性が明るく優しい言葉をかけてくるのである。
そんな地元の若者と、旅行中だけの関係を持つ女性もいれば、結婚する女性もいる。
セイさんは、ビーチでオバサンをナンパする若い男性にインタビューする。インタビュー中、自分の母親より年上であろう女性を甘い言葉で誘うが、断られてしまった。
その男性に後から先輩が、ナンパ成功率を上げるための会話法を伝授する。まるで実践ナンパスクールだ
セイさんは彼に、
ガンビアにだって女性はいるでしょ? なんで若い女性と結婚しないの?
と尋ねた。彼の答えは、
俺は貧乏なんだ。だからガンビアの貧乏な女とは結婚できないんだよ。俺は家族を養っていかなくてはならない。そのためには、金がある女と結婚しなくてはいけないんだ。
ときっぱりしたものだった。彼のナンパ成否に、両親や兄弟の生活がかかっているというのだ。
セイさんは、ベルギー人女性と婚約して、現在二人の家を新築中という男性にもインタビューした。
その女性はなんと85歳で、自分の母親と同い年だという。お母さんにはまだそのことは話していないらしいが。
家を建てる費用はほとんどが彼女持ち。また、彼はこの女性から、毎月300ユーロの生活費を仕送りしてもらっている。
彼女は将来この家で亡くなることになると思うよ。俺の腕の中で死んでいくんだ
と自慢げに語る男性に、呆れるセイさん。
後に、この女性は85歳ではなく68歳だということがわかる。どうりで85歳にしては若く見えたはずだ。それにしても花嫁の年も知らないなんて?! でも彼に言わせると、
言うのを忘れてたよ、年齢はただの数字だから
だそうだ。ちなみに、この男性は7人家族で、その中で自分が養う責任を負うのは5人。この家が完成したらその人達もここに住むことになるんだろうなあ・・・。
中年以上のイギリス女性は寂しく、ガンビアの若い男性は貧しい。
双方の利害が一致がここにある。
それにしても、私もいずれこんなふうになっちゃうのかな。
誰からも女として見向きされなくなった私が、昔のときめきを取り戻せる唯一の場所が地上にあるとしたらここなのか。
その場合でも、貧乏なオバサンなら地球上の誰にも女として相手にはしてもらえないのね。
てことは・・・ やっぱり 世の中金なのね
(今日のスウェーデン写真)
建物の壁が、鮮やかな山吹色に塗られているのがいい感じ。壁にしてはちょっと珍しい色だけど。