羽生選手、大変なことになりましたね。
羽生選手も、中国選手も、今後、大事にならないことを祈るばかりです。
今回の怪我について、カナダでスケートをしている娘がいる親として考えると、羽生選手が棄権をせず、演技を続行したこと、正直言って、驚きでしかありません。(中国選手の怪我の状況がわからないので、彼については、コメントできませんが)
怪我を押して出場した二人を非難するつもりは、全くありませんが、出場させることにした周囲には、言葉が出ないほど、怒りを感じます。
スピードもパワーも、比較にならない娘達のレベルでさえ、頭を打った時の衝撃は、物凄いものです。
現に、練習で転び、頭を打ち、ドクターから、2度とスケートをしてはいけないと言われ、リンクから去ったスケーターを知っています。
一度、重度の脳震盪を起こした場合、もし、再度起きると、非常に危険だからそうです。
日本では、自転車にしろ、スケートにしろ、ヘルメットをかぶっている人は、あまり見かけませんが、こちらでは、自転車は大人でも、たいていの人はヘルメットをかぶっていますし、子供は、ヘルメットなしでは、リンクにあがれません。
それほど、頭は、怖いものなのです。
試合や練習で、時々、転んで頭を打ってしまう子がいますが、コーチや、場合によっては親でさえ、リンクに飛び出して行き、抱きかかえて助けます。
中国を責めるつもりはありませんが、この事故が、カナダで起きていたら、対応が違っていたかもしれませんね。
今、いつもお邪魔させていただいているスケートブログを拝見したら、日本の元スケーターが、ウォームアップの時間を延長して、6人を2つのグループにしたらどうか、という提案をしていると書いてありました。
選手の安全を考えると、名案ですね。
実は、ちゃーちゃん、昨日と今日、セクショナル(日本でいうブロック大会)があり、今さっき戻ってきたところなのですが、なんと、今年から、公式練習が、6人ずつではなく、2つのグループで1つの練習になってしまいました。
セクションによっては、以前から、6人に1つの練習が与えられないところもあったのですが、Eastern Ontarioは、各ウォームアップグループごとに練習があったのに、今年は、それがなくなってしまいました。
今、日本は、空前のフィギュアブームですが、こちらは、年々、選手の数が減り、スケートカナダも、各セクションも、バジェットカットに必死です。
日本のように、観客を集められる選手もいないし、なんとかして、コストを減らそうと、躍起なのでしょう。
以前あったPre-NoviceとJuvenileのナショナルは、廃止され、西カナダ大会と東カナダ大会は、コストダウンのため統合され1つの大会になりました。
カナダにはたくさんリンクがあるとはいえ、アリーナを貸しきる料金は安いものではないでしょうから、大会の時間を、できるだけ短くしようと、あの手この手を考えるのでしょうね。
そんな中、、悲しいけど、ウォームアップの時間を延長するなんて、とっても実現可能とは思えませんね。
日本とカナダのスケート事情を見て思うのは、同じスポーツなのに、あまりにも、見る側も滑る側も、温度差がありすぎて、このスポーツ、このまま、普通に、スポーツとしてやっていけるのかしら??と感じてしまうほどです。
今年のジュニアグランプリ(名古屋)に、親しいスケーターがトロント(アルゼンチン代表)から参加したのですが、大盛況の会場に、ただただ、驚いてしまったと話していました。とてもスケートの試合会場とは思えなかったそうです。
オリンピック競技にもなっているスポーツは、ある程度、世界の中で、同程度の認識というか、概念というか・・・、うまくいえないのだけど、あまりにも、狭い地域だけの特殊なスポーツになってしまうと、何か、スポーツとしての発展が止まってしまうような気がして、なにか、心配になるのです。
どうして、日本ばかり、こんなにスケートがもて囃されるのか、本当に不思議。
カナダにだって、パトリックみたいなスーパースケーターはいるけど、
彼が、隣を歩いていたって、あ、パトリックだ、みたいな感じだものなあ。
ゆず君の件だって、もし、これがスケートカナダで起きていて、転んだのが、ゆず君じゃなかったら、おそらく絶対に棄権していたと思う。
だって、見ている人だって、誰も、あの状況で滑り続けた選手を賞賛するとは思えないし、(Crazy!とかI can't believe this!とか喚きそう)、関係者だって、責任問題になりたくないですものね。
それに、選手一人減ったって、テレビの視聴率が下がるわけじゃないしね。
結局、やっぱり、今の日本のフィギュア人気が、今回の結果を招いたとしか思えず、羽生選手には、ヒーローになんかになってもらわなくていいから、しっかり、身体を休めて欲しいと思います。