年がバレそうですがキャンディーのお話です。
ネタバレ注意!!


小説 キャンディーキャンディー FINAL STORY 上・下巻
名木田恵子著 


2010年に小説が発行されていたことを最近知り
日本から遊びに来たお友達に持って来てもらい、
キャンディーキャンディー FINAL STORYを読み終えた。

30代になったキャンディーが
愛する「あのひと」と暮らし、過去を回想している。

漫画を何度も読み、
テレビアニメ(再放送)を見て内容は知っているのに
上巻の始めから涙が止まらなかった。

特に、キャンディーがアニーから文通を断られたところと
イライザとニールによる陰湿ないじめのシーン。

活字を追いながら
漫画のキャンディーを鮮明に思い出してみたり、
昔感じた同じ箇所で同じ感情がこみ上げて来たり。

一瞬にして
漫画を読みふけっていた少女時代に戻ってしまった。

もう一度漫画を読み返してみたいところだが
くんくん(母)が私の許可なく漫画全巻を捨ててしまったので
それももう2度とか叶わない。

原作者と原画者による
著作権帰属を巡るトラブルのため
漫画もアニメも再販・再放送が出来ないのだ。


それはさておき

小説が手元に届く前から気になっていたことは
キャンディーの「あのひと」が誰かということだ。

作者のあとがきによると
キャンディーの「あのひと」は
最初から曖昧にする予定だったらしい。
「あのひと」を明かしてしまうと
長年の読者の夢を奪うことになるからとも。

そう、「あのひと」
アルバートさんなのか
テリュース
なのかという論争である。

作者が「あのひと」を明かしていないのだから
読み手がそれぞれ決めればいいのだが
作者の頭の中では決まっているのなら
読者としてはそのへんをはっきりとして欲しい訳である。

アルバートさんでも
テリュースでもない
第3者の可能性もない訳ではないのだが、
その考えは省くとして、

小説を読み終え思うことは
「あのひと」は
ウイリアム・アルバート・アードレー氏であって欲しいということだ。

これは漫画の最終回を読んで感じた思いと同じである。

小説の中に
「あのひと」がテリュースであるかのように思わせる設定や小道具があるのだが、

例えば書斎にシェイクスピア全集や
あのひとの家に代々伝わるの象嵌細工の宝石箱。

「あのひと」との住まいがエイボン川沿い。
(国名や地名をはっきりと明かしていないが
イギリスの
シェイクスピアの誕生地ストラドフォード・アボン・エイボン
が有力)

スザナの死。

小説の最終にキャンディーとアルバートさんが書き送った
手紙のやりとりを持ってきているという構成を考えると、
(手紙のやり取りにより明らかに親密度が高くなっているのが読み取れる)

上に記載した設定や小道具は、
どれも「あのひと」はテリーかもしれない
とテリーファンに思わせるための小細工にしか見えなくなる。

もし「あのひと」がテリーなら
テリーとキャンディーのその後のやり取りがあってもおかしくない。

「あのひと」がアルバートさんであって欲しいと考える理由は
まだ他にもあるのだが

語りだしたら
終わらなくなるのでこの辺でやめておこうと思う。

ちなみに
アードレー家やラガン家があった
レイクウッドという地名はアメリカに数カ所あるらしい。

デンバーの近くにも
レイクウッドがあるので、
もしやコロラドが舞台?と胸を躍らせたが、

丘の上の王子様が、キャンディーがいたポニーの丘
まで車で行ける距離を考えると
どうやらオハイオ州のエリー湖沿いのLakewoodのようだ。

ちょっと残念。

せっかくキャンディーが誕生した土地アメリカにいるので

キャンディーゆかりの土地に旅に出かけるのも
面白いかもしれないと思うのであった。

「あのひと」とはどういういきさつで
一緒になったのか、「あのひと」とはいったい?
といったもやっと感は残るが、

何はともあれ
大人になった今でもここまで読者をとりこにする物語は
そうはないだろうと思った。

キャンディーキャンディーファンなら
一見の価値がある小説である。




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