根本 沙璃(さり)です。

 

本日のタイトル

 

部屋とYシャツと私

 

ではなく

 

台湾と女子高生とオッサン

 

でございます爆  笑

 

 

今、台湾に来ています。

台湾道教の神々に会う、巡礼の旅でございます。

 

 

 

それで、ふと数年前に台湾に

行ったときのことを思い出しました。

 

滞在したホテルでの朝食場所

での出来事です。

 

よかったら、お付き合いくださいませ。

 

 

 

 

このホテルの朝食が楽しみでしてね~。

ビュッフェスタイルで、台湾式、日本式

韓国式に様式と、実にバラエティに富んでいます。

 

その場で麺類や卵料理、大根餅なんかを

調理してくれて、それはそれは楽しいのです。

 

さて、2日目の朝の出来事です。

係の人に案内されて席につくと、隣の円卓には

 

高校生とおぼしき女子学生さんの

グループが食事をしていました。

 

オリオンビールのTシャツに

大きな瞳、ちょっと小柄な感じで

きっと沖縄の学生さんだったのだと思います。

 

この年代って、箸が転がっても

おかしい年頃で、私なんぞの高校時代を

思い返せば、それはもう、穴があったら

入りたいと思うほどの傍若無人っぷりでありましたが

(あれ?今でも?)

 

この学生さんたちはたいへん

お行儀良く、食事をしていて

 

それは沖縄県民のおっとりした

気質なのか、はたまたお育ちの良さ

なのかわかりませんが、とにかく

それはそれは、ほほえましいものでした。

 

 

高校生くらいの学生さんを見ると

かわいい、と思うようになって

オバサンになったわ~♪

なんて思っていたところ、事件は起きました。

 

 

1人の高校生(とおぼしき)女子が

パンにチョコクリームを塗っていたところ

 

日本人の熟年男性がその女子に

言いました。

 

 

とても高圧的で、攻撃的な口調で。

 

 

 

 

「そんなこと、自分の部屋でやれ!!」

 

 

 

意味不明です。

 

彼女は、丁寧に、だけど手際よく

周囲の人のさまたげにならない

ポジションをとって

 

ただただチョコクリームをパンに

塗っていただけでした。

もちろん、割り込みもしていません。

 

いきなり、自分の父親かそれよりも

年上くらいの男性に威圧され

 

思いもよらない言葉を浴びた彼女は

その後こわばった表情で席に戻りました。

 

 

ちなみに、その男性は、その後

我が物顔で、その場でチョコクリームを

パンに塗りたくっています。

 

彼女が戻った席は私の座っているとなり。

友人からの声が聞こえます。

 

 

「なにかあったの?」

 

「さっきのおじさんに何か言われたの?」

 

そんな言葉が飛び交う中、彼女は

ただただ萎縮してうつむいていました。

お箸もフォークも、あまりすすんでいないようです。

 

 

この一連の出来事を目撃した私は

大好きなオムレツの味がせず

 

砂をかむような状態になっていました。

しかし、だんだんと、身体が熱くなっていました。

 

 

ものの1分くらいだと思うんですが

1つの思いがわき上がりました。

 

 

 

 

「後悔したくない」

 

そこでとった行動は、熟年男性に抗議!!

 

 

ではなく(苦笑)

 

 

隣の席で肩を落としているその

高校生女子に声をかけることでした。

 

「先ほど私はお嬢さんの行動を

たまたま見ていました。

 

あなたは何1つ悪くありません。

どうか、今日の台湾の1日を

楽しんでくださいね。」

 

もう、これしか言えませんでした。

 

心の中では、私も予想外の出来事に

驚愕して、その場で守ってあげられなくて

ごめんなさい!

 

という思いと

照れくささがミックスして

 

そそくさと席に戻りました。

 

その後、いろいろな思いが駆け巡りました。

 

あの場で、割り入って、彼女を

擁護するべきではなかったか。

 

余計なことを言って、かえって悲しみや痛みを

増幅してしまったのではないか。

 

それにしても、あのオヤジ、ひどい!

お椀に激辛唐辛子ソースをこっそり盛ってやろうかニヤリ

 

 

だけど、自分なりの等身大でできた

精一杯があれなんだから、あれはあれでいい。

 

そんなふうに思って、まだ出続けている

アドレナリンを感じながら、コーヒーをすすっていました。

 

すると・・・

 

 

 

 

先ほどの高校生女子が、わざわざ私の

席に来ました。

 

一人のお友達の付き添いとともに。

 

小さな声で、だけどはっきりと

そして、こちらの目をしっかり見て

 

 

 

「あ、あの、、、、ありがとうございました・・。」

 

 

 

といって、深々と頭を下げたのです。

 

その瞬間、胸がいっぱいになって

泣き出しそうになりました。

 

それをぐっとこらえて、出た言葉が

 

「あなたは素晴らしい!!

なんて素晴らしいの!

うん、もうぜ~~んぶOKだから♪」

 

いったい何がOKなんだよ!

というツッコミを入れる自分が出てきつつ

 

ただただ、その学生さんの手を

両手で握りしめました。

 

その手を、ぐっと握り返してくれた

のを感じて、また泣きそうになりました(笑)

 

多感なお年頃の学生さんが混乱を

感じるような中で

 

見ず知らずの人物に挨拶をできるって

相当な人間性の成熟度だと思います。

 

 

それから、この学生さんのことを

生み育てた親御さんが素晴らしいと思い

 

一緒にいるお友達を素晴らしいと思い

この人に関わったすべての人を素晴らしいと思い

 

 

この学生さんに出会えたことがうれしくて

彼女が、いつまでもいつまでも

元気で幸せであってほしいという思いが

わき出てきました。

 

あれ?

 

関わった人のすべて、ということは

例の高圧的で理不尽なオッサンも?

 

残念ながら、そこまで私は人間できておりませんグラサン

 

 

 

だけど、数年たった今では

あのオッサンが悪者役で登場することで

 

私が、あの学生さんの愛を受取らせて

もらう機会を与えられたのかもしれない

とすら思っています。

 

あの学生さんはお元気だろうか?

きっと、元気で幸せに過ごしているに違いない(^^

 

オチはないけど、おしまい。