Le Petit Cheritane n°16“La Garçonne” は、1922年に フランスで出版された本です。
その翌年には英語版も出版されました。
(日本語訳が出版されたのは 昭和25年、1950年です。)

当時としては大変ショッキングな内容であったため、この本によって著者ヴィクトル・マルグリットはレジオン・ドヌールの勲章を剥奪されました。

歴史上の非凡な一冊であろう作品をぜひ一度読んでみたい、そう思っていました。

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いざ手にしてみて、言い尽くせない衝撃を受けました。
なかなか時間が取れず まだ少しずつ読み進めているところですが、これはまったく想像以上に興味の尽きない書物でした。
女性が男性と伍して活躍できる新しい社会の到来。ファッションもアートも大きく変化した時代。その風潮の象徴がガルソンヌたちであり、ポール・ポワレがコルセットを否定し、ココ・シャネルがそれに続いて行く・・・ そんな新しい時代の "幕開け" に書かれたのが、この小説でした。

私には、ギ・ド・モーパッサンの「女の一生」と対をなすような作品にも感じられました。
1883年刊 「女の一生」 と、1922年刊の 「ガルソンヌ」。
ジャンヌの生きた時代から 40年を経て、同じフランスに生きるモニク(「ガルソンヌ」の主人公)。
二人が生きた時代の何と違うこと。
そしてまた、何とよく似ていること。
女性が、人としての当たり前の機会を当然のように得るまでには、いかにも長い苦労の時代があったのだ。と、そのこと思っては、いちいち本から顔を上げて考え込まずにいられません。
私が女性だから、かな。

また、単純に小説としても非常に面白いです。
文章や全体のテンポ、どこを取っても全く古さを感じないのは作家の力量でしょうか。

この本を読み終えたら、ココ・シャネルの映画を見ようと思っています☆