映画見てきますた。今年の夏は見たい映画が結構たくさんあって困るのですが、その中でも以前『僕達急行 ~A列車で行こう』を見た時に告知をやっていて頭に残っていた『苦役列車』です。


この映画、原作は直木賞を受賞した同名の小説なのですが、原作者が完成した映画に対して酷評していることでも話題になっており、個人的には見ようか悩んでいたのですが、結果から言うと見てよかったかと。


何よりも森山未来の演技力がすごい。どうしようもない底辺の19歳を演じているのですが、彼の演じるダメ男っぷりったらありゃしない。 森山未来じゃ最終的にはコギレイにまとまってしまうかと思いましたが全然そんなことはなく、終始彼の演技にドップリはまれます。


脇を固める高良健吾や前田敦子もはまっていて良かった。正直前田敦子というキャスティングは集客目当てのものかと思って期待していなかったのですが、見終わってみれば何も違和感なく作品に溶け込んでいたのではなかろうか、と。というか配役がバッチリよね。美人過ぎず可愛い過ぎず、いい感じに地味なところが。いや、これ褒めてんのよ。


ただ個人的に気に食わない点がちょこちょこ。


・読書好き

主人公は本を読むこと以外に楽しみがない、という設定の割りに本を読むシーンが少なすぎる。特に前半。あれでは書店員の康子ちゃんに惚れるきっかけが不自然。単なるストーカーやで。


・エンディング

映画を観るたびにエンディングに対する不満をぶちまけているような気がしますが、これも然り。最後だけ大急ぎで『とりあえずこれでいいや!』って感じにまとめられてる希ガス。 いや実際そんなことないのかもしれませんが、観た人がそう感じた以上しょうがない。 というかラストスパートだけ演出が違いすぎるんですよね。あまりにそれまでと映像が違っていて違和感を感じざるをえない。


・タイトル

原作の小説と同名なのですが、正直無理がある。「苦役」はまだしも「列車」ってどないなん。



といったところでしょうか。いやトータルでは非常に面白い映画だと思いましたよ。
ストーリーも『起承転結』ではなく『起承転落』って感じで最後まで目が離せない流れ。 
原作者は酷評しているようですが、それはあくまで原作との乖離等についてで、一つの映画としては面白かったです。(そうなるとますますタイトルとの齟齬が気になるのですが)


森山未来の演技を見るだけでも価値あるかと。


あ、面白いですけど結構際どいシーンなんかもあったりするのでカップルで見に行くのはオススメでけまへん。