逢いたい〜月が照らす夜〜4(S♡BD) | 櫻葉小説~嵐と一緒に日向ぼっこ~

櫻葉小説~嵐と一緒に日向ぼっこ~

櫻葉・大宮中心の妄想BL嵐小説を書いています。
かなり偏った内容になっております。
ご理解のあるかたのみご覧ください。

たまに日常のこともつらつら載せてます。


※無断での話・内容転写利用禁止
※アメともピグともは受け付けていません

「忙しいなんて理由にはなんないよ。

俺がそうしたいからそうするの。

待ってるね」

数日前

そう言って雅紀が笑った。



だけど

とてもとても一緒に過ごせる時間が作れるような余裕はない。



空き時間に携帯をのぞいても



既読の文字はなく・・・・



朝、一度だけ入れた言葉



「新しい店発見したよ」と・・・



だけど

未読のまま



元々

電話で直接連絡を取り合う方が性に合うと言っていた雅紀は

基本、電話をしてくる方が多くて・・・



だから

俺が出られない時間に限って着信のあとがあり・・・・



『気持ちだけでいいよ。

時間ないだろ。ちゃんと帰れよ』



メールを打った。



そういえば今年は

めずらしく『おめでたまきん』のメールもなく・・・・・



一番初めにメールをくれたのはリーダーだった。



みんなよく覚えてるなと思うくらい

すれ違いざまに祝いの言葉をもらうけど

思った以上に

気持ちが乗らず・・・・



少々憂鬱のまま

夕方には打ち合わせが始まり・・・・





あっという間に

夜の生放送に時間が迫ってきて



スーツに身を包み、気を引き締めた。







・・・・・・・・・・・・・・・・





月と星が冬の夜空にくっきり映る。



帰り・・・・



真夜中。





日が代わってしまい

そのまま連絡も取れぬまま



家路にと・・・・・・





「あ・・・・れ?」



今朝世話になった店に明かりが灯っていた。







open』の文字。



不思議に思いつつ

朝同様良い音色のする鐘を鳴らしながら店内へ入った。







「いらっしゃいませ」





また・・・

雅紀と同じ顔をした彼が

朝と同じく

雅紀によく似た笑顔で迎え入れてくれる。







「お疲れ様です」





促されるままに

朝と同じ席に座り



「あ・・・。

今朝はありがとう。

美味かったです。

あのキ・・・・」



「キッシュ、ですか?」



「そう、キッシュ。コーヒーも」



今朝持たせてもらったのは

テイクアウト用に食べやすくカットされたキッシュと

ホットコーヒー・・・・





ほんわか

気持ちを温めるような

そんなコーヒーと

俺の好きなものが詰まったキッシュ・・・・





「こんな時間ですがお飲みになりますか?」