逢いたい〜月が照らす夜〜7(S♡BD) | 櫻葉小説~嵐と一緒に日向ぼっこ~

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櫻葉・大宮中心の妄想BL嵐小説を書いています。
かなり偏った内容になっております。
ご理解のあるかたのみご覧ください。

たまに日常のこともつらつら載せてます。


※無断での話・内容転写利用禁止
※アメともピグともは受け付けていません

「・・・・・・はい」



穏やかな顔をして

雅紀みたいに俺のことをお見通しな彼。



不思議だけど

心地よい



不思議な時間に開いている不思議なパン屋。



「あの・・・・」





「はい?」



「ここで食べられるおすすめメニューはなんですか?」



「・・・・・フレンチトーストです」



「あと、あなたの下の名前は・・・・」



ガタン!

厨房の方で音がした。



一瞬だけ彼が驚いて振り返り

でもすぐこちらを向いて・・・・



「ま、慎・・・です」



それを聞いて

俺は思わず噴き出した。



「あ、あの・・・・?」

困った顔の彼。

今朝もそんな顔をさせてしまったことを思い出し・・・・・



「フレンチトーストもまぁくんも好きなので・・・・」





また奥で音が・・・・

何かが落ちた音。



「大丈夫ですか・・・?」



「鍋が落ちたのかな? だ、大丈夫です」



「・・・・・・・俺のまぁくんと次回はそれをいただきに来ますね?」



ウィンクをして

もう一度

手の中にある温かい紙袋の礼を言った。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・







紙袋には

おいしそうなパンが数個と

今朝と同じ

いい香りが鼻をくすぐるコーヒーが2つ。





「ははっ」



なんにも言ってないのにしっかり二人分のお土産が腕の中にある。



特に特別な会話はしていないのに

心を温かくしてくれたパン屋さんと俺の雅紀。





俺の雅紀の香りを間違えるはずがないけれど

あの店で

俺に微笑んだ彼からは

ふんわり甘くてやさしい雅紀と同じ香りがした・・・気がした。







帰ったら真っ先に雅紀を抱きしめよう。



俺の雅紀に早く逢いたい・・・・。



そして

俺の腕の中で

おめでたまきんの声が聴きたい。




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冬の夜。

寒いのにちっとも寒く感じない。



そう思いながら雅紀の待つわが家へ向かい



俺の後ろ姿を月が追う。



月がすべてを包みこみ

そっと帰り道を照らしていた。