Q&A1133 ☆カフェイン、アルコール摂取について | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q カフェイン、アルコール摂取について質問があります。

Q1 現在妊娠を目指しており、先生のブログを読んで、お酒やカフェインの量について気をつけながら生活しています(たばこは元々吸いません)。ただ、お酒やコーヒーを飲みたい気分のときもあるので、そのようなときは、ノンアルコールビール、ノンアルコール梅酒、ノンカフェインコーヒー、ノンカフェイン紅茶、ルイボスティーなどで代替しています。しかし、2016.5.5「☆日本人の弱点:自然○○に弱いこと」の記事に、「カフェインフリー(レス)も代替品の有害性は本当にありませんか?疑問だらけです」との一文があり、心配になって質問させて頂きました。
ビールの代わりにノンアルコールビール、コーヒーの代わりにノンカフェインコーヒーという対応は、妊娠を目指す時期・妊娠後を含めて問題があるのでしょうか。もし問題があるのであれば、理由も併せて教えて頂けると幸いです。

Q2 アルコールを完全にやめる時期について
先生のブログの2013.2.25「☆妊娠を目指している方のアルコールは?」2012.12.11「☆妊娠中のアルコール」の記事を読ませて頂きました。妊娠を目指している現段階では、記事にあったアルコールの許容量の範囲内でお酒を楽しんでいるのですが、妊娠中のアルコールは禁止であり、どのタイミングでやめればよいのかがわかりません。赤ちゃんに影響が出てしまうのは、どの時期以降なのでしょうか。
妊娠が発覚してすぐにやめれば問題ないのでしょうか。あるいは、妊娠発覚後ではやや遅く、タイミング療法の場合は排卵日以降、胚移植のときは移植日以降はやめるべきなのでしょうか。それとも、飲酒するのは生理中のみ、くらいの方がよいのでしょうか。

A カフェイン、アルコール摂取は大変よくある質問です。

A1 2015.2.4「ビスフェノールAの代替品は大丈夫?」の記事では、ビスフェノールAの代替品として開発されたビスフェノールSとビスフェノールFは、ビスフェノールAと同様に環境ホルモン作用があり必ずしも安全ではないことをご紹介しました。カフェインフリー(レス)に関するデータはありませんが、新しく開発された製品では何が起きるかわかりません。そのようなリスクを加味してほしいという意味です。

人類の生活は、文明の進歩により豊かなものになりました。日本を含め世界全体での高度成長時代には、人体や環境への影響を考慮することなく、様々な化学物質が使用されていました。その後、人体や環境への悪影響が次第に明らかになるにつれ、環境ホルモン、残留性有機汚染物質、農薬•殺虫剤などの化学物質に次々と規制が設けられ、現在に至っています。今後も、新たな化学物質が使用されては規制されるといった繰り返しになるのではないかと考えます。人体実験はできませんので、ある程度年月が経過しない限り、新しい化学物質の人体へ及ぼす悪影響について明らかになりません。このタイムラグは、永久に無くならないと考えます。私たちの周囲には未だ明らかにされていない危険な物質が沢山あると考えるべきで、日常生活は決して安全ではないという認識が必要だと思います。

たとえば、下記の食品添加物は要注意であると報告されていますが、日本では現在も普通に使用されています。後に大きな問題が発覚する可能性があります。なお、外国では1の一部、3の一部、8は使用禁止となっています。
1 亜硝酸塩(食品の黒ずみを防ぎ、ピンク色に保つ発色剤):発ガン性、うつ症状、頭痛、記憶障害など
2 アスパルテーム、アセスルファムK(合成甘味料):発ガン性、内臓異常、失明・視力低下、精子減少、パーキンソン症発症、うつ症状など
3 タール色素(合成着色料):不妊症、胎児に悪影響、発ガン性など
4 安息香酸ナトリウム(保存料):発ガン性、神経障害、変異原性、めまい、食欲不振など
5 ソルビン酸(保存料):発ガン、免疫障害、成長不順、腎臓肥大
6 ポスト・ハーベスト、OPP、チアベンダゾール(防カビ剤):発ガン性、胎児の先天性障害、遺伝子損傷性、変異原性、染色体異常など
7 グルタミン酸ナトリウム(うまみ成分):アルツハイマー、パーキンソン病、知能障害、うつ病、めまい、注意欠陥、多動性障害、不眠症など
8 トランス脂肪酸(食感):動脈硬化、心臓病、ぜんそく、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など

A2 アルコール禁止の時期を明確に示した論文はありません。しかし、放射線や薬剤の場合には妊娠判明時から制限がかかりますので、同様に考えて良いと思います。

下記の記事を参照してください。
2012.11.17「☆妊娠中の投薬」