☆膣の潤滑剤使用について | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

2017.2.4「☆自然妊娠を目指す場合のポイント:ASRM公式見解」で「妊娠を目指す方は、膣の潤滑剤使用はやめるべきである」と記載したところ、極めて多くの質問がありましたので、潤滑剤使用について詳細を記します。

 
Fertil Steril 2017; 107: 52(ASRM)
要約:インビトロ(生体外)のデータで精子運動率低下が証明されているものは、アストログライド(Biofilm社)、KYゼリー(Johnson & Johnson社)、KYタッチ(Johnson & Johnson社)、オリーブオイル、唾液です。
キャノーラオイル、ミネラルオイル、ヒドロキシエチルセルロース関連製品(Pre-Seed; ING Fertility社、ConceivEase; Reproductive Laboratiry社)にはそのような作用はありません。
 
解説:これは、あくまでもインビトロ(生体外)のデータです。インビボ(生体内)でも同じことが言えるかどうかは定かではありません。
 
質問が多かった、リューブゼリー、ピンクゼリー、ブルーゼリーに関しては論文に記載がありませんでしたので何とも言えません。リューブゼリーの成分は問題ないように思いますが、ピンクゼリーとブルーゼリーの成分は明らかにされていませんので、断定的なことは言えません。