Q&A3529 肥満解消のダイエットは? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 体外受精にて2子を出産した36歳女性です。

第3子を望んでいるのですが、40歳が見えてきた今、肥満が解消できてから不妊治療をした方がいいのか、先に不妊治療をしたほうがいいのか悩んでいます。私は肥満型(BMI25以上)で多嚢胞性卵巣だったので、体外受精で2人を出産しました。その際には、クロミッドの飲み薬では反応せずタイミング法もできず、低用量のHMGでも反応せず人工授精もできず、結局高用量のHMG注射を投与して、OHSSになりながら、3回の採卵と3回の胚移植で2人を出産しました(移植卵はすべて4AA)。35歳までの出産と焦っていたことと、病院の先生が肥満解消をした後に不妊治療をするのではなく、ダイエットしながら不妊治療をしましょうとご指導いただき、十分に体重を落とし切らないまま、妊娠、出産に至ってしまったことに今更ながら、大変後悔があります。せめてBMI24以下に落としてから妊娠出産をするべきだったと。治療中は、ホルモンバランスが乱れたからか、食生活に気を付けていても、体重が
減ることはありませんでした。妊娠中には体重管理を徹底し、血圧やや高めながらも妊娠糖尿病にもならず、産科の
先生には第一子から帝王切開ながら、もう一人産んでも大丈夫と言われています。今現在は、低用量ピル(マーベロン)を服用しながらダイエットに励んでいますが、この減量ペースだとあと1年半はかかりそうです。この場合、先生はどのようにご指導されるかご教示いただきたく存じます。

 

A 効果的なダイエットにはプロの力を借りるのが一番です。自己流よりも、より短期間で成果が出せると思います。巷にはさまざまなダイエットプログラムがありますので、そちらを利用されるのが良いと思います。

 

なお、リプロダクションクリニック(大阪、東京)では、BMI高値(>23.0)の方に「オンラインダイエットプログラム」を行なっています。ご興味のある方は、外来でご相談ください。

 

BMIについては、下記の記事を参照してください。

2022.12.14「肥満マウスの食事療法で卵子の質が改善

2022.12.13「肥満で子宮内膜のタンパク質の発現パターンが変化

2022.12.12「肥満で卵胞液中のタンパク質の発現パターンが変化

2022.10.14「☆ライフスタイルによる体重減少の効果:メタアナリシス

2022.4.25「☆女性のBMIは異常胚とは無関係

2021.12.5「BMI増加で胚盤胞発生動態は?

2021.11.21「☆BMI高値で不育症リスクが増加!?

2021.9.28「BMI高値は受精卵の染色体異常とは無関係

2021.7.21「☆女性の肥満で流産率が増加

2021.5.5「女性のBMIは卵子に影響?着床に影響?

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。