Q&A3922 第2子治療で相談 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 35歳


前院で移植8回陰性後にリプロダクションクリニックで採卵+PGT-Aを実施し、移植前のお休み期間中に自然妊娠して出産しました。今後、第2子を希望しており、治療の進め方についての相談です。

第1子治療 他院

タイミング2回、人工授精3回、採卵1回:胚盤胞8個(4BB×4、4BC×3、5BC×1)
→ホルモン補充周期移植(1個移植):流産1回(8週)、化学流産1回

 自然周期(1個移植):化学流産1回

リプロダクションクリニック
採卵1回、胚盤胞7個、PGT-Aで正常5個胚、モザイク胚1個、異常胚1個
・ERPeak検査 +1日
・子宮収縮検査 軽度の収縮あり、ダクチル1T服用
・原因不明不妊対策として、ピシバニール注射、プレドニン服用
を提案していただきました。
その後、私の都合で治療お休みの周期に妊娠が判明し、ピシバニール注射1回+プレドニン服用し、卒業しました。

①第2子治療は仕事復帰・育児で通院時間を取るのが難しくなるため、なるべく可能性の高い治療から再開したいと考えております。第1子がたまたま自然妊娠であったことを踏まえ、数周期タイミングや人工授精を試す価値はありますでしょうか。一般的にタイミングや人工授精での成功率はあまり高くなく、最短ルートはPGT-A正常胚の移植なのか?と迷っています。松林先生のお考えはいかがでしょうか。
②タイミングや人工授精でも、ダクチル・プレドニン服用、ピシバニール注射は有効でしょうか。PGT-Aの結果を踏まえると前院の8回の移植胚も、正常胚が多かったと推測するのですが、結果が出ておらず、移植にあたって何か対策は考えられますか。2個移植や2段階移植は試行したことがないので、気になっていますが、PGT-A正常胚の場合、1個移植になりますでしょうか。

 

A 

①妊娠率は、正常胚移植→検査未実施胚移植→人工授精→タイミングの順番に低くなります。時間的に余裕があれば、タイミングや人工授精を試してみても良いですが、最短ルートはPGT-A正常胚移植です。その際には、慢性子宮内膜炎と着床の窓(ERPeak)検査を行ってからの移植をお勧めします(出産後に変化することがあります)。
②理由はわかりませんが、妊娠が上手くいった時の方法を踏襲するのが良いですので、ダクチル・プレドニン服用、ピシバニール注射の実施をお勧めします。リプロダクションクリニックでは移植を行なっていませんので、一度は通常通りの移植が良いでしょう。なお、PGT-A正常胚は、原則として1個移植です。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。