■サッカー セルティック VS ダンディーU 戦評
 奇跡の逆転優勝・・・
   いくばくかの寂しさとともに

セルティック - ダンディーU (1-0)

■試合総評
勝てば自力優勝という所まで漕ぎ着けたセルティック。
序盤から飛ばして得点を狙いに行く。
だがいつものスタイルでは無いため、無理をしすぎた印象は否めない。

前半は完全なセルティックペース。
中村も、カウンターからマクギーディーへのトラバースパスでの決定機、右サイドで切り返しでDFをはずして決定的なクロスを上げるなど、チャンスを作り続けた。

だが、中々得点が生まれない展開でやや攻め疲れが見え始めた。
焦りからミスも増え始め、逆に攻められるシーンも増えた。
嫌なムードも漂うなか、0-0で前半終了。

中村は途中までは完璧な出来だったものの、ややミスも目立っていた。

後半、攻めながらも得点が奪えない展開が続く。
開始早々にペナルティエリア内で素晴らしい切り替えしを見せた中村だったが、DFが足を引っ掛けてこれをストップ。
中村は大げさに倒れてしまい、逆にシュミレーションを取られてイエローカードをもらう。

そして、やや運動量が落ちてきたところで後半17分に中村に代えてStブラウン。
カードや、守備力も考えての交代(失点だけは避けたい)だったのだろうが、これで得点機は減ると思った・・・が、勝負のあやは意外な方向へ転ぶ。


レンジャーズが失点したとの情報がスタジアムに広がり、雰囲気は一気に軽くなる。
そしてCKを獲得したセルティックは中村が居ないためハートリーがキック。
これをヘッセリンクがどんぴしゃのヘディングでゴール!
1-0とリードを奪う。

これでプレッシャーも一気に抜け去り、のびのびと落ち着いて試合をすすめていく。
そして危なげなく1-0で試合終了を迎え、セルティックの3連覇が決まった。
 中村もこの場に居たかっただろう…

■中村について
中村、ストラカン監督ともに移籍後の3年間で3連覇という まさに優勝請負人とも呼べる偉業を成し遂げた。

今期は怪我などもあったが、CLミラン戦での決定機の演出、レンジャーズ戦でのスーパーゴールなど、印象に残る活躍もあり、最終節は途中交代となったものの、連覇に十分に貢献したと言えるだろう。

非常に厳しい戦いであったが勝ち点10近くあった差を見事に逆転し、連覇を果たしたセルティック。
終盤の7連勝など、要所に勝負強さを見せたチーム。
この勝負強さは勝者のみ得られるメンタリティだろう。

来期のCLに向けては 組織的な守備の整備、守備的MFとDFを含めたビルドアップの技術強化、中村、マクギーディーが不調の際のスーパーサブの確保など、課題は多いが、楽しみでもある。

素晴らしいリーグを制したセルティックに 今は惜しみない拍手を贈ろう。