2023.3.1 

昼間には春を感じるほどの暖かさ。

そんな日の夜に行われたライブ。


~吉祥寺SHUFFLE


1番目は涼木聡

いつものようにアコギ1本のソロ。

それでも音を重ねていくスタイルは

洗練さを増していた。


今日を楽しんで!と笑う聡は、まぁそれでもどこか陰を含んだような笑顔。

ソロ曲の哀愁が漂う曲の雰囲気と紡ぐ世界観が心地いい。


ーキライ


彼のソロの代名詞とも言えるような曲は

きっと彼の本音なのかもしれない。


この声が嫌い、と歌う彼。


敢えて言う。

僕は聡の声が好きだ。


優しく包み込むような、それでも遠くまで貫くような強さをもった歌声が。


最後はLoop

バンド yetiの代表曲。


本来は激しく勢いのある曲だが、これも音を重ね、ギターがリフを奏で、ドラムにもなり、ストロークと共に歌うソレはバンドスタイルに負けない程の迫力を感じさせた。


「今日のこの時が、未来に繋がると信じて」


いつも彼の言葉には、彼の歌には

静かな中に熱を感じる。


きっとそこに間違いなく信念があるからだろう。


今日も素敵な時間をありがとう。



2番目は八木沼聖之

3ピースのオールドスタイル。

まさにハイスタを彷彿とさせるパワーコードで押していく勢いのある曲たち。

ほとんどMCもなく

「この音を聞いてくれ!」

そんな声が聞こえてきそうなバンドだった。


初めて見る者にも分かりやすい進行ながら、やはり今風の細かな音数の多いギター演奏も混じえ、ベースのハモリも合間って、とにかく前向きなアンサンブルを生み出していた。


学祭でやっていた頃のようなどこか懐かしさすら感じる素敵なバンドだった。



そして3番目に出てきたのはANTi-SOCiAL

ボーカルのRyomiのライブは何度か見ていたが、バンドスタイル、それもライブハウスでの初めてのライブ。

それは今までとは何もかもが違った。


重厚なSEで登場するメンバー。

そして鳴り止むと同時に始まるバンドサウンド。


ひたすらに憧れたカッコいいを突き詰めた曲。

彼のアイデンティティが詰まったようなスタートだった。


生演奏の迫力。

それに負けないRyomiの歌声。


バンドでしか表現出来ない

カッコ良さが詰まったステージは

まさに彼の独壇場と化していた。


そしてMCで伝える言葉の数々はステージで、

バンドで音楽をやれる喜びに満ちていた。


「もう少しだけ自分のために歌いたい」


激しくもやや陰鬱とした進行から、サビでは珍しいほどのメジャー進行。

初めて聞く人にも分かりやすいキャッチーさもありつつ、それでも転調の多さが彼ららしさを表現していた。


拳を突き上げ歌う姿が映える。

フロアの熱気は間違いなく今日1番のものだったのではないだろうか。


ソロや配信でお馴染みのアルカナでは、客席の合わせる歌声が聞こえてきそうな一体感を生み出していた。


そしてラスト

「バッチバチにヤバい曲持ってきたんで」


そう言って

鳴り出した音は、まさに彼らの真骨頂と言わんばかりの展開に溢れた、文字通りヤバい曲だった。


転調に次ぐ転調。

同期を駆使した、今風の速さと音の動きの激しさに、ドラム、ベースが完璧な下地を添える。


そこにソロを含めた激しくもノリの良いギターのリフが重なり、Ryomiの声で仕留める。


会場に居た誰もが、その熱を感じたはずた。


彼のファンも、そうでない人も、

自然と体を揺らしてしまうような熱。


この日の彼らは初ライブとは思えない熱気と勢い、そして会場を巻き込むパワーを放っていた。


曲の完成度の高さ、演奏の安定感

ライブとしての熱量


どれを取っても最高に最幸なステージだった。

短い時間の中にRyomiらしさを詰め込んだ、濃厚なライブだった。


願わくばこんな音楽の幸せを誰もが感じられるような、そんな日々が続きますように。




ー2023.3.1 感謝