2023年8月19日

サガン鳥栖vs鹿島アントラーズの試合は1−2で敗戦となった。

中断開けからまだ勝利のない鳥栖。

 

少し好調だったときには、息を潜めていた「批判したい勢」が嬉々として湧き出る頃だろう。

 

僕の主観にすぎないが、個人的意見を言おう。

 

「鳥栖はこのままで良い」

 

この順位のままでいいとか、この成績、スタッツで良いとか言うつもりはない。

プロである以上、1つでも上を目指すべきだし、選手は成長すべきだ。

 

そうしなければ観客から飽きられ、賞金も減り、J1に居られなくなる。

Jリーグとは、日本サッカーとは経済的な厳しさも含めて常に自転車操業なのだ。

 

この文化圏を変えたいという思いはあるし、みんな持つべきだが、状況は来年には変わらない。

ならばこの生活圏で生き抜く術は必要だ。

 

そういう意味で、鳥栖は正しい道を歩いている。

 

一部ではユースが上がっても使ってもらえない

前政権だったらもっと使ってたなんて声もあるが

僕はそうは思わない

 

今もこれからも鳥栖の生命線は「育成」だと思うし、それは成功している。

 

ユースから上がって、仮に鳥栖で輝かなくても他チームで必要とsれる選手であることも素晴らしい結果だ。

 

もちろん鳥栖で輝いて、鳥栖が強くなることが一番だが、今の鳥栖は10代の選手が出場するのは容易ではない。

 

だからこそ楢原のゴールはもっともっともっともっと発信して、多くの脚光を浴びるべきだ。

素晴らしい成果の、継続の結果なのだから。

 

勝てなかったことは悔しい。

 

しかし鹿島の終盤の戦いかたを見たか?

 

関川は足をつり、GKも足をつり

タンカで運ぶ子たちも少しでも時間を使おうと、ピッチの近いとこではなくサイドまで運び

交代した樋口もエンドラインから出ずに、ピッチ中央まで戻っていった。

 

怒号も飛び交う中、平然と時間を使う鹿島の選手たちは、

明らかにこの1試合に必死に勝ちに来ていた。

 

鳥栖が変わるべきとすれば「勝つべき」という試合がないこと、か。

勝たなければならないプレッシャーと

強者に立ち向かうプレッシャーは異なる。

 

鹿島はこんなことを10年以上繰り返してるのだ。

そりゃ強いはずだ。

 

鳥栖の戦い方はまさに強いチームのそれだった。

おそれずにやることをやった。

 

むしろ鹿島のほうが簡単に垣田や鈴木に逃げのボールを供給した。

残念ながら、適当に逃げたときの質に差があっただけの話だ。

 

何よりも樋口だ。

ピッチの至るところでお膳立てを繰り返した。

 

河原がそれに近いがよりテクニカルだ。

今は手塚だが、彼がそうなってもいいし、菊地や楢原、坂井らがそこをこなしてくれる未来も想像したい。

 

鳥栖の下部組織は万能型が多く、基本的にボランチもサイドもやれる。

今集めてる選手は一長一短がある選手ばかりだ。

 

これをどう組み合わせるかは本当に難しい。

しかも目の前の試合の勝利を目指しながら。

 

 

実にわくわくする挑戦である。

 

それでいて鹿島をあそこまで追い込んだ。

 

「強い相手に点取れてよかったね」

 

みたいな過保護な賞賛はするつもりはない。

 

だが、ただしく「良い試合だった」とは伝えたい。

 

少なくとも現地で見た、鳥栖の選手の目は輝いていた。

そして敗戦の悔しさのあまり、怒気すら感じた。

 

それでいい

 

 

それがいい。

 

 

これがサガン鳥栖だ。

 

 

次を見てろ。

 

 

最後に

サポの熱気も凄まじかったと伝えておこう。

 

一部で、ゴール裏の覇気が、、なんて声も聞こえるが、

現地で歌っていればそんな事は感じない。

むしろ応援したい気持ちでそれどころではなくなる。

 

それくらいに熱気のある試合だったのだ。