2024年4月3日 サガン鳥栖vsヴィッセル神戸

0−0

 

今日は「情熱」が見えやすい試合だった。

雨の影響なのか、早めにSBの裏にボールを蹴って

冨樫が戦い、菊地が拾い、堀米が繋いでシュートに行く。

 

テヒョン、山崎は大迫という強敵に競り合い続けてクロスを跳ね返し続けた。

 

さて。

 

これをもって「鳥栖が帰ってきた」というのは違う。

 

何が違うかって?

 

まだ足りない、って意味ではない。

 

逆だ。

 

「今までも必死に戦ってたんだ」

 

ってこと。

 

安易に今日の試合で

「気持ちが見えた」

「気持ちが違う」

そういうことを言うのは違う。

 

今日は「それが見えやすいやり方」だった。

 

ただそれを差し引いても、町田戦を経て変わったかもしれない。

そういう意味じゃ町田にありがとう。

 

 

そういうのが見えにくい必死さもある。

 

たとえば、仕事の現場でめっちゃ深夜まで頑張ってたら

「頑張ってるね!」感が出る。

 

でもスケジュール管理めっちゃちゃんとやって

しっかり管理されてる中で

全員が定時に帰ってたら

「なんか楽してる」とすら思われる。

 

そのスケジュール管理や、工程管理を

見えないとこで「めーーっちゃ頑張ってる」としても

それは外からは見えない。

 

僕らがサッカーを見て、分かる事なんてほんの一部だ。

 

っていう皮肉はそこそこにして、

 

僕が試合を見て面白かったポイントをあげたい。

やっぱり選手交代と配置の妙。

 

鳥栖はまず初瀬、酒井のSBの攻め上がりに対して、

右は富樫を流してロングボールを送り込む。

 

左は長沼が幅をとりながら最後のシューター役となる。

久しぶりに長沼がシューター役となったが、

入ってくる形やシュートへのイメージがやや固かったが、

本当にいい動きだった。

 

今日の長沼を評価できない人はもう一回試合を見直したほうがいい。

ボール絡みのミス以上に、チームへの貢献、ルーズボールをマイボールにする力

とにかく試合への絡み方が素晴らしかった。

きっと疲れてるな、って前半で感じるくらいだったが、

それでも試合に貢献し続けてるのだからすごい。

 

そして丸橋は長沼の前への動きを補足するために、

必要以上には前にいかないのも良かった。

 

対して神戸はやっぱり大迫を潰れ役として起点としたいが、

堀米、冨樫のプレスが強くていいタイミングで蹴れない。

 

怪我もあったが、

だったら!

と飯野を入れて大外のスピードで優位に立とうとした。

 

武藤や飯野、佐々木の攻め上がりに対して、鳥栖のSBは引き気味で構える。

 

広瀬に変わって飯野になった時は、飯野が外にだけ張るので、

真ん中は大迫が潰れて、武藤か宮代が入ってくるけど枚数が足りない。

 

飯野が怪我して、佐々木になった時には3枚が中に入れるように、

菊地を入れて、あえて宮代を外す。

 

3バックになれば酒井、初瀬が大外に出て帰って来なくていい。

ってことで、最前線の3人は真ん中に行ける。

 

決して守備固めの3バックではない。

 

それに対して鳥栖も木村を入れたが決して守備固めではない。

原田、丸橋が前に出て、長沼、中原がシャドーとなることで一撃を狙う。

あの中原の動きを外でだけ使うのはもったいない。

じゃあシャドーしかない。

あの時間で ヒアン、中原、長沼と一撃を狙える選手がたくさんいるのはすごい楽しみが広がる。

 

なお3バックにしたのも、相手と局所的な1対1が多く発生するから。

結局、個々が質で上回れ! このJ1リーグの中で「良い選手」になれ!

という川井監督のメッセージもここにある。

 

広島戦も同じ3バックにした。

でも誰も守備固めとは思っていない。

 

サッカーとは不思議なものだ。

どちらも剣を突き立てながら、殴り合う。

 

そんなばちばち感のある戦いで最後まで一太刀は入らなかった。

入らなかったが面白かった理由はまさにここにある。

 

全ての箇所でぶつかりあいが生じる。

河原福田も含めて90分の集中は素晴らしかった。

 

結局川井監督のサッカーとは

「攻撃の武器をたくさん用意する」ことだと思う。

 

自分たちがボールを握ることもそうだし、

ヒアンのような裏抜けも1つ。

 

今日のように富樫が潰れ役で周りで拾うのも1つ。

 

そういう武器をたくさん用意した結果、

積み重ねた結果、「どれを出したらいいんだっけ?」となって

悩みすぎて殴れなくなったのが今年の鳥栖だ。

 

今日はシンプルに「これでいこう」となった。

 

そうすれば3位の神戸にも普通に押し込めるくらい自力があるのが鳥栖というチームだ。

 

実に不思議だ。

 

工程管理をしっかりして、手順をしっかり準備すると、

どうにもフルパワーで作業ができない。

 

管理がガバガバで徹夜するしかない!とかの方が力が出る。

 

今日みたいに連戦となると考えることや特別な準備が難しい。

そのシンプルさが良かったのかもしれない。

 

サッカーとは不思議なものだ。

 

これで確実に「熱量」は上がった。

 

 

次は浦和戦。

 

ここはまた非常に大きな試合となる。

まだ上位進出の希望は残っている。

 

ここで

 

 

勝とう!