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荻原 浩
明日の記憶

最近、記憶力が悪くなったと感じることは誰にでもあることだろう。

しかし、自分自身があの元アメリカ大統領もなった病気アルツハイマーになると考えて人はいないだろう。

最近、小説やテレビでもアルツハイマーを取り上げられることがあるが、どちらかというと介護者の大変さを描くことが多いが、自らがアルツハイマーとなり、自分でなくなることへの恐怖心を描いたの小説を始めて読んだ。

50代の広告制作会社の営業部長。娘は、もうすぐ結婚し、孫も生まれる。人生がばら色のように思えるサラリーマン男性に突如宣告された若年性のアルツハイマー。それは、癌であること宣告されることよりも、ある意味では辛いことであった。自分が自分でなくなること。愛する妻や娘の顔がわからなくなること。だんだんと子どもに戻っていくことであった。

人間は、誰しも、年とともに赤ちゃんに行く。ある意味では自分で出来ることが減っていく。それに行くまでに、ある程度の時間があれば、納得も出来るだろうが・・・

もし、自分がアルツハイマーになったとしたら・・こう想像しながら、読むと本当に怖い気がした。

もちろん、それを支える家族はもっと辛いだろうなあ。そこは、あえてさらりと書いている。でも、これ以上書かれると、辛くて読めないのかもしれないなあ。