今朝も8時に起きた。夫に作ってもらった弁当を持って、出勤する。(ごみは夫が出してくれた)
お弁当箱はりんご(娘の名)が幼稚園のとき使っていた、まげわっぱです。

職場は、7年位前に、近所に突然姿を現したショッピングモールの2階です。

採用してもらったとき、りんご(娘の名)の友達のおかあさんに話したら、
「あそこ、しょっちゅう求人広告出してるよねー」
「う、うん…」
「何かが、まずいんだろうねえ…何かが」
「!!…」

噂は真なり… 同時期に採用されたのは、わたしを含めて3人だったが、2日後に1人やめ、10日後にもう1人やめたのだった…

ダメ母の特技は聞き流しである。
その技を持ってしても、なかなか敵わぬ強敵が、男―土筆田―29歳であった。

うちの店は、店長、副店長(この2人を指して、マネージャーという)がいて、そのつぎに位置される各部門の責任者(セールスという)がいるんだけど、そのトップにいるのが、土筆田である。

いや~土筆田さんには、何度も怒鳴っていただきましたよ。
おかげで、動物園が取り壊される寂しさなど感じずにすみました。
まったく、発想が四角いねえ。もっと、まわって考えろよ!
と、心の中でけっこう毒づいていたのですが…

ある日気付いたのです…

土筆田、いつも一番きつい仕事やらされてる…!?
土筆田のシフト、変にきつくないか…?
土筆田が「大丈夫だ」と言ったときは、本当に大丈夫である…

土筆田が、20日の日曜日で辞めると聞いたは、14日の月曜日のことである。土筆田は月、火曜がやすみである。

今日、3時であがるのは、わたしひとりである。
本日は店長、副店長ともに不在であるため、土筆田が終礼をした。
「……以上。なにか連絡事項ない?」
「…ないよ」
「ほんとうにない?」
「ない」
「…ん。じゃあ、もう二度と会うこともないと思うけど…」
「明日も来ます」
「え?」
「あたし明日も来るよ。シフト変更になったもん…月曜に麻田ちゃんに聞いたよ!」

そこから、すこしタメで話をした。
うちの店、マネージャー以外は全員アルバイトだったのだ。(セールスから上はもちろん全員正社員だと思っていた)
土筆田の時給は、わたしたちパートとあまりかわらないらしい。
しかも、土筆田は7年もいたのだ!(オープンからだ!オープンから勤め続けている人が存在することすら知らんかった)ひどいな。

「一言では、言えないよ…人間関係もあるし」
「ふ…む」
「玉田さん(わたしの名字)も、自分のために仕事してるでしょ」
「は…ぁい」
「おれも、自分のために仕事がしたい。自分のために仕事がしたいから、かわることにした」

わたしは、帰る道すがら土筆田が次の職場で幸福になることを祈った。

うちに帰ると、りんごに
「大島さんとやってる交換マンガ読まな~い?」
と、誘われた。
きっぱり断ったのは、言うまでもない。