ダメ母は、今日も夫が作ってくれた弁当を持って出勤した。
ごみも夫が出してくれた。

今日は、土筆田と働く最後の日である。

早番は、土筆田と麻田ちゃん(先輩主婦パート)とわたしである。
このシフト、何ヶ月か前なら地獄でした。ふたりとも普段の喋り方からして怒り口調の上に、あげあし取り好き、狭視界…
ひとにキッツク注意することが、自分らの仕事と思っているかのようでした。

時間が経つって、すてきなことだな…

朝礼で土筆田におこられた。
「ちゃんと、挨拶しなさい!(激)」
「きゃはははは、はい!(笑)」
ダメ母は、低血圧なのである。いついかなるときも、健康診断では、複数回計りなおされるレヴェルである。
ハードに掃除とかして、からだがあったまるまでは、声もしょぼいのである。よって、朝礼で挨拶の言いなおしをさせられることはよくある。

笑って応えても、土筆田はおこらなかった。

今日、土筆田に聞きたいことは、実はたくさんあった。
やっぱり、特に、人間関係。
土筆田は、昨日、この店が向かって行こうとするところが、自分が向かって行きたいところと違うとも言っていた…
双方は、どこに向かおうとしているのか…
開店してから、7年どんなことがあったのか…

はあ、しかし、今日から冬物最終均一セールですし、春物も入ってきてますし、来週たくさん入荷するようなので、レイアウト移動の準備もありますし…
個人的に話す機会は、まったくありませんでした。

終礼は副店長でした。
土筆田のことには、まったく触れませんでした。

帰るとき、土筆田を見ると重そうなもん運んでるところだったので、
「んじゃ」
くらいしか言えなかったけど、心の中で、
「次の職場で幸せになってくれ!」
と、さけんだ。

うちに帰ったら、最近はすぐテレビをつけます。
韓流ドラマ『真実』にはまっているのです。

…電話?りんご(娘の名)からです。
「今、ドラマ見てるから…」
「わかっとる。パパおる?」
「おらんよ。仕事」
ガチャン!

電話のことは忘れて、画面凝視。

ドラマ終わったところで、りんご(娘の名)帰宅。
ずぶぬれ。
りんご、傘を持っていってなかったのだった…