犬を飼っててよかったなーと思うことのひとつに、夜の一人歩きが堂々とできるということがあります。
夜、車びゅんびゅん走ってるバイパス沿いを、独りぼっちでてくてく歩いてるとやっぱりなんか意味ありそに、見えるもんな。

わたくし、散歩は1匹ずつと決めております。
2匹一度に連れて行って、三度ほど死にそうな目にあったからです。
一度目は、マイちゃん。わたしがまっちゃんのうんちを拾っている間に、自転車に飛びかかろうとして、失敗。そのまま車道に着地。ききぃーっ!骨折、入院、手術。
二度目はダメ母。地下道の下り斜面で、まっちゃんにちょっかい出したマイのリードが片脚に絡まり、転倒。病院に行き渋っていたら腫れ上がってしまい、1週間毎日点滴、三度の筋肉注射。
三度目もダメ母。またもや、まっちゃんにちょっかい出したマイのリードが両足に絡まり、あおむけに倒・れ…そ・こ・か・ら、ストップモーションで、わたしの視界は徐々に真っ暗な夜空のみに変化して行ったのです…(ゆっくりあおむけに倒れていったってことね)
「やっぱり、ヨン様の写真集、買って見とけばよかった…」
てな事が、頭の中をよぎりました…
ゴツッ!
……わたし、生きてました。いまのは左ひじ強打した音です。
真上から、2匹の犬がわたしの顔を見下ろしていました。
自分の体勢を確かめてみると、両肩までアスファルト面にぴったりくっついていましたが、左ひじを張って、首から上がつっぱって地面から離れています。腹筋もかなりがんばっている…
起き上がってから、もちろんマイに蹴り入れました。わたしは足の甲にも負傷を増やしました…
犬の散歩は1匹ずつと心に決めた瞬間です。

最初にマイを連れて出ます。そのほうが早くからだが温まるからです。

おっと、携帯が鳴っている。りんご(娘の名)のともだちのアリちゃんのおかあさんからです。
「ね、塾の模試の成績表見たん?」
「…見てない。りんご出してない…伏せられてる!」
「アリ、ぜんぜん変わってないんだけど…」
「りんご出してない!伏せられてる!」
「…じゃ、またねー…」
…………
「りんごぉっ!模試の成績表出しなさいっ!」
「え、ばれてる?」
…………

犬を連れて、夜道をのしのし歩くダメ母。(大型犬と散歩すると、のしのし、どしどしという歩き方になります)
風に吹かれます。気持ちがいいです…

1匹目の犬の散歩から帰ってきたダメ母に、言い訳を試みるりんご(娘の名)。
「いいのっ。りんごがばかでも大事に育てる。わたしが産んだんだもん!」
「だから、説明を聞け!」
「いいのっ。りんごがばかでもちゃんと育てる。わたしが産んだんだもん」
「ばかっ。ちゃんと説明を聞け!A問題とB問題があって…」

2匹目まっちゃんと行くときはすこし厚着します。
犬を連れて、夜道をてくてく歩くダメ母。(小型犬と散歩するときは、てくてくです)
風に吹かれます。毛穴が締まります…

…!
「フィラリアの薬、飲ませるの忘れてた!」

ダメ母は、夜の散歩が好きです。

2匹の散歩が終わると、お風呂入って、ビール飲んで寝ちゃうので、夜まわした洗濯物は、洗濯機の中で一泊二日するのです…