一昨日の夜、主婦パート仲間の井内さんから、電話がかかってきた。
話題は、土筆田問題。
じつはこの件に関しては、既におなかいっぱいのダメ母である。
土筆田のつぎの職場での幸福をもう三度も祈ったことだし、すっきり自分のパート道を極めることに、心落ち着いていたのである。
「送別会は行けんのよ。だんなもその日送別会なん」
「その送別会さあ、わたし(井内さん)も誘ってってオッスィに言われた?」
「…オッスィに何も言われてないの?」
「なんも言われてないよ…」
……オッスィは、一応レジにいる店長から見えないところにわたしを呼んで、送別会の話をした…わたしも少し考えて、”なるべくたくさん集まってあげたほうがいいから”というオッスイの言葉を反芻してから、井内さんに「どうする?」と声をかけたのであった。その時、井内さんからもうチェキで写真を撮ったかどうか聞かれた。コルクボードにみんなの写真を貼って、土筆田さんにあげるのだという。わたしも井内さんもまだだった。のちの出勤日でコルクボードのレシートが店長の机の上にはさんであったのを見た。
「じゃ、店長も副店長も送別会に行かないの?」
「あたりまえでしょ。その人らが原因なんやから」
「でもコルクボードのレシート、店長の机にはさんであったよ!」
「とにかく、店長も副店長も送別会によんでるはずない」
……井内さんは、送別会のことを麻田ちゃん(先輩主婦パート)に教えてあげてよいものかどうかを聞くためにうちに電話をしてきたようだ。
ダメ母はもうおなかいっぱい。
「麻田ちゃんと土筆田さんは仲良かったと思うけど…わからん。まあ、井内さん行ってきて、また教えて下さいよ」
「わたしも行かんとこー。じゃ、ね」

昨日の朝、起きるなり携帯が鳴った。井内さんである。
「ごめんねー。昨日あれから、麻田ちゃんから電話かかってきてねー、なんにもないのもなんだから、なにか一緒に買おうって。で、主婦パート3人だから、玉田さんも一緒にって…」
…思いついたのなら、ひとりで動いてほしいものだ。実際、うちら二人はなんにもなくないことを知ってしまっているのだし…
「あの、二人で行ってきてください。お金あとで渡しますから」
みみ子、麻田ちゃんが苦手なのである。常に強気オーラを発しているひとで、みみ子のぼやぼやオーラとは溶け合わないの…ってだけでなく、わたしのふにゃふにゃオーラが病気になっちゃうの。
「行こうよ。急にで、玉田さんの都合悪いなら、変更するからっ」
どっちみち行かなきゃならないなら、
「じゃ、行きます…」

場所はうちらの職場があるショッピングモール、時間は夕方5時だった。
昼から韓流「天国の階段」を観たりして、ぼやぼやしていたので、まっちゃんとピカのシャンプーしか済ませられないまま急いで外出。マイは明日だ。
麻田ちゃんと井内さんは、20分遅れて揃ってやってきた。
いや~、つまらなかったね~。
だれかとショッピングしてこんなにつまらないというのは、ダメ母初めての経験だった。わたしは今まで友達に恵まれていたのだなー。
同時に、気の乗らない誘いは断固断ることを決心。おばちゃんであるダメ母に残されている時間は短いのだから。
災難はよけて通る。
職場に贈り物を持っていってチャックンにあずけて、3人で清算して解散。

ダメ母は、りんご(娘の名)にたのまれた文房具やチゲ鍋の材料を買って、夜の田んぼ道をてくてく歩いて帰宅…途中、井内さんから電話。
「あの、あの後チャックンから電話あってさ、コルクボードに貼る写真撮りに来てって。うちら二人、引き返してもう撮ったところなんだけど、玉田さんも今日でも明日でももう一回写真撮りにきてって」
…ありがとう。できたら、引き返して写真とる前に連絡してほしかったな。解散するとき、子供に頼まれたものと、夕飯の買い物して帰りますとダメ母言ってたわけですからっ。
でも、ダメ母写真苦手なので、これでよかったの。忘れたことにして、コルクボード写真は免除してもらおー。

うちに帰ったら、期末試験勉強中のはずのりんご(娘の名)はパソコンの前、夜勤明けの夫はまだ布団の中にいた。
病気のオーラにつつまれたダメ母が、ぶち切れたのは、言うまでもない。

その怒りは、夜11時10分韓流「美しき日々」で、イ・ビョンホンを観るまで持続したのである。イ・ビョンホンは、やっぱりリュ・シオンよりぜんぜんいいな。

で、今朝。携帯の鳴る音で目覚めたの。
チャックンからである。
「コルクボードに貼る写真撮りに来て下さい…」

ダメ母、おなかいっぱい…