このエントリは「川崎フロンターレ Advent Calendar 2016」第9日目の記事として寄稿するものです。

 

8日目は@lovefroさんによる「川崎純情小町☆」でした。おつかれっした!

 

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来る2016年12月12日(月)、東京ドームにおいてアメリカンフットボール社会人日本一を決める「JAPAN X BOWL」が開催されます。11月27日(日)に行われたセミファイナルの結果、今年は富士通フロンティアーズとオービックシーガルズが対戦することになりました。

 

JAPAN X BOWL

2016年12月12日(月) 19:00キックオフ

富士通フロンティアーズ vs オービックシーガルズ

 

JAPAN X BOWL特設サイト

 

チケットぴあ JAPAN X BOWL


富士通フロンティアーズはその名の通り富士通株式会社のアメリカンフットボール部です。フロンターレと同じく「かわさきスポーツパートナー」であり、フロンターレの試合日イベントにも参加したことがあるのでご存知の方も多いかと思います。

当日はNHK BS1にて生中継もあるようですので(※19:00~20:49が101chで20:49~21:30が102ch)、今日は3日後に迫った試合に先立ち、富士通フロンティアーズの注目選手を何人かご紹介します。

 

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その前に、そもそもアメリカンフットボールってどんな競技なのか。

 

サッカーとラグビーは競技としての起源は同じですが、サッカーが点取りゲームであるのに対しラグビーは陣取りゲームであるという違いがあると以前(昨年のラグビーワールド杯の際の記事に)書きました。アメリカンフットボールはラグビーのルールを起源とし、その陣取りゲームの要素をさらに突き詰めたものになります。

 

野球と同様に攻守交替の制度があります。攻撃側には4回の攻撃権(ダウン)が与えられ、4回攻撃する間に10ヤード以上進むことを目指します。10ヤード進んだらその時点で攻撃権を更新し、そこからまた4回攻撃する間に10ヤード以上進むことを目指します。これを繰り返して最終的に相手陣のエンドソーンまでボールを運びます。もし4回の攻撃で10ヤード進めなかったら守備側だったチームに攻撃権が移ります。

 

得点パターンはラグビー同様複数あります。

 

1) エンドゾーンにボールを運ぶ(必ずプレーヤーがボールを保持している状態であること)と6点が入ります。これをタッチダウン(TD)と言います。ラグビーとの一番の違いは、ラグビーはトライエリアの地面にボールを接触させなければいけませんが、アメリカンフットボールは運び込む(空中にある)だけでOKというところです。

タッチダウンを奪うと、その後にトライ・フォー・ポイントで追加点を狙います。攻撃のチャンスは1回。キックでゴールポストの間に蹴り入れれば1点、再びタッチダウンを奪えば2点が入ります。通常はキックで確実に1点を取りに行きますが、残り時間と得点差によってはギャンブルで2点を狙うことがあります。

 

2) 4回の攻撃権の中でボールをゴールポストの間に蹴り入れると3点が入ります。これをフィールドゴール(FG)と言います。普通は4回の攻撃権のうち3回目までに10ヤードを奪えず、ゴールまで近い(おおよそ敵陣30ヤードラインよりゴール側)時に行います。また、3点差以内の僅差で負けているチームが試合終盤の残り時間が少ない時に、ダウンに関係なく狙うこともあります。

 

野球のように攻守がきっちり分かれているスポーツですが、アメリカンフットボールには守備側にも得点機会があります。よく見るのは攻撃側のパスをインターセプトして、あるいは攻撃側がファンブルしたボールをリカバリして、そのままエンドゾーンまで持ち込んでのタッチダウン。攻撃側と同様に6点が与えられ、トライ・フォー・ポイントも狙えます。守備が一瞬にして攻撃に…そのスリリングな展開もアメリカンフットボールの魅力の一つです。

 

その他、細かいルールはいろいろあります。でもそんなん全部紹介しきれないので割愛(笑)。良いんですよ、別にルールなんて全部覚えてなくても見るのは楽しいですから。

 

あと、BSの中継では副音声で「分かりやすいルール解説」をやってくれます!

 

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フィールド上に立つプレーヤーの数は1チーム11人。選手の入れ替えはダウンごとに自由に行えます。攻撃側の作戦と、それに対する守備側の作戦により選手は目まぐるしく入れ替わります。また、選手の分業制が進んでいるアメリカンフットボールでは、攻撃をするオフェンスチーム、守備をするディフェンスチーム、先に書いたFGなどのキックはそれ専門に行う選手がいます。前置きが長くなりましたが、ここからは富士通フロンティアーズの注目選手をご紹介します。

 

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オフェンスチーム ~1ヤードでも多く前進するために~

 

「アメリカンフットボールは陣取りゲームである」ということで、まずは「陣地を取るのが仕事」の選手たちを紹介します。

 

QB コービー・キャメロン(背番号3)

ルイジアナ工科大学卒業。アメリカンフットボールの花形ポジション、QB(クウォーターバック)。いわゆる司令塔。通常の攻撃は必ずこのポジショを経由して行われます。Xリーグ随一の正確なパスで相手守備陣を切り裂きます。セミファイナルで見せた残り18秒からの連続パス成功は圧巻でした。

 

RB ジーノ・ゴードン(背番号29)

ハーバード大学卒業。富士通フロンティアーズのラン攻撃の中心選手。ポジション名はランニングバック(RB)。持ち前の瞬発力とスピードで守備陣を切り裂きながら突進していく様は圧巻。長崎県佐世保市生まれで、アメリカ人の父親と日本人の母親の間に生まれたハーフ。超いい人。

[タウンニュース 人物風土記]ジーノ・ゴードンさん

 

二人ともいい人感が滲み出てる。

 

WR 中村輝晃クラーク(背番号81)

富士通フロンティアーズのパス攻撃の中心選手。ポジション名はワイドレシーバー(WR)。イケメン。フロンターレサポーター的には「W中村で対談した選手」と言えばお分かりいただけるでしょうか。

[タウンニュース]フロンターレ・フロンティアーズW中村選手 フットボールの魅力語る

 

隣の人、要らんわな(^^;

 

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ディフェンスチーム ~敵の前進を許さない~

 

オフェンスチームは「陣地を取るのが仕事の人たち」である一方、ディフェンスチームは「陣地を取らせないのが仕事の人たち」です。アメリカンフットボールは球技に属するスポーツですが、ディフェンスチームの彼らがボールに触る機会は滅多にありません。QBを潰し、ランを止め、パスキャッチを阻止するのが仕事です。

 

LB トラショーン ニクソン(背番号16)

富士通フロンティアーズの守備の要。ポジション名はラインバッカー(LB)。相手のパス攻撃に対するケア、RBの突進阻止、時にはQBサックと神出鬼没の動きでチームを助けます。

 

 

DB 石井 悠貴(背番号28)

ポジション名はディフェンスバック(DB)。DBはディフェンス最後の砦。ここを抜かれたら後ろには誰もいません。パス攻撃に対するケア、突破されたラン攻撃の阻止と高い身体能力が求められるポジションです。

 

DL 南 奎光(背番号98)

ポジション名はディフェンスライン(DL)。攻撃のボールがスナップされたらQBを潰しに行き、RBの突進を食い止めます。攻撃側の選手とのボディコンタクトがメインです。

 

 

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オフェンスチーム ~攻撃を守る~

 

ここまで「陣地を取る人たち」「陣地を守る人たち」を見て来ました。さて、ここで再びオフェンスチームです。彼らのポジションはオフェンスライン(OL)と言います。「陣地を取る人たちを守る人たち」とでもいえば良いでしょうか。QBが楽にパスを投げられるように、RBが走り抜けるスペースをより多く作るために、DLやLBが襲ってくるのを体を張って止めることが仕事です。故にディフェンスチームの選手たち以上にボールに触る機会がありません。しかし陣地を取るためには彼らの頑張りが絶対に必要です。良いQBの前には必ず良いOLがいます。是非注目して見てください。

ちなみに格闘技で有名なボブ・サップ選手はもともとアメリカンフットボールの選手で、現役時代はOLだったそうです。

 

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スペシャルチーム ~キックの専門家~

 

ポジションの分業制が進んでいるアメリカンフットボールの中でも特にキックに関してはそれ専門に行う選手がいます。

 

K 西村豪哲(背番号11)

ポジションはキッカー(K)。その左足から放たれるキックは世界でも通用すると言われています。私が見た中では最高で40ヤードライン上からのFGをあっさり決めていました。

[FIELD EYE 西村 豪哲(#11 K)]日本一のチームで、日本一のキッカーを目指して(※2011年の記事)

 

ちなみにキッカーはキックを専門としています。もしキッカーがフィールド上でFGやキックオフのキックの後に守備をしていたら、その時はスクランブルです。(ノ∀`)アチャーって感じで全然褒められた状態ではありません。

 

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チアリーダー&マスコット ~応援に華を添える~

 

アメリカンフットボールの応援と言えば欠かせないのがチアリーダー。富士通フロンティアーズにはフロンティアレッツというチアのチームがあります。時々「フロンタールズ」という名前でフロンターレにイベントに登場するのが彼女たちです。

マスコットはフロンティと言います。モチーフは狼。ダンスが上手くてチアチームと一緒に踊ることもあります。

 

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そういえば本当に偶然なんですが、今日(12月9日)の「ファイト!川崎フロンターレ」にフロンティアーズの選手たちが登場するそうです。おそらくJAPAN X BOWLの告知だと思われます。ぜひ彼らの"声"を聴いてください。

 

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長くなりましたが以上です。当日はぜひ東京ドームで、あるいはテレビの前でフロンティアーズへの応援をお願いします。

 

もし東京ドームで応援をされる時は、入場後すぐの場所に富士通のブースが出ているはずですので、そこで"Fビート"というハリセンを受け取ってください(無料)。それが応援グッズになります。

 

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肩パットさんもチアのお姉さんと手を繋いで鼻の下を伸ばし気味です。

 

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10日目は@yoshi141さんによる「天野フロンターレと『空気のつくり方』」です。お楽しみに!