~来訪者~


 がラッ!!


 勢いよく部室のドアが開かれた。


 そこに立っていたのは一人の女の子。


 いきなり顔色が悪い。


 ・・・こんな離れを保健室と間違えるほど具合が悪いのかな。


 「た・・・」


 最初の言葉は”た”。


 「た・・・たこ焼き?」


 「・・・き・・・金魚。」


 「よ・・・ヨーロッパ。」


 「・・・パンダ。」


 「だんな。」


 「何か用?」


 「あなたたちはしりとりしないと人にものを尋ねられませんの!?」


 怒る女の子。


 ついみんなのペースに乗ってしまった。


 「ごめんなさい、それで”た”で始まる用事って何かしら?」


 「それですわ。」


 「どれだ。」


 「みさと、話しが進まないから。」


 ほら、その子こっち睨んでるし。


 

 女の子はボードの前まで進んだ。


 「実は大変なものを買ってしまいましたの。」


 「写らない鏡とか?」


 「違いますわ!!」


 ・・・怖い鏡だ。 


 いちいちみさとの言葉に反応しなくてもいいものを。


 女の子は平常心を取り戻したらしく話しを続けた。


 「・・・絵ですの。」


 「絵?」


 「絵画とかの絵ですか?」


 「ニセモノ買わされたとかならそのお店か警察かに・・・。」


 「いえ、絵は本物ですの。」


 ・・・。


 それなら何が大変だと言うんだろう。


 「実は・・・その絵というのが・・・。」


 女の子、一呼吸。


 「呪いの絵なんですのー!!」


 わっ!ビックリした!!



 ~つづく~