上嶋あつし。 | リゲッタつくってる兄さん達の日記。

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上嶋あつし



住吉高校ラグビー部、
俺たちの代のキャプテン。

筋骨隆々、真っ黒。
たぶん喧嘩は滅法強い。




試合中、こいつにパスが回ると、
チーム全体が安心した。

「 他の奴は持たんでいい!
もっとお前がボールを持ってくれ! 」
って俺は思ってた。

だからこそ、こいつにはボールが集まった。
チームみんなの信頼の裏返しなんやろう。


上嶋よりも足が早い奴はいっぱいおる。
上嶋よりもパスがうまい奴はいっぱいおる。

それでも上嶋は周りに絶対的な安心感を与えてくれた。





こいつであれば、敵を全部蹴散らしてくれると真剣に思ってたなぁ。

こいつのタックルが振り切られるのなら、
他の誰も止められへんわって納得できた。



性格が好きとか嫌いとか関係なく、
プレイヤーとしてチームメイトに
安心感を与えられる奴やったと思う。


リーダーに絶対的に必要な、

「 こいつやったら、何とかしてくれる・・・。 」

って雰囲気を持っていた。

そして、そんな強いオーラがあいつにはあった。





実はこれを書いているといろんな意味で泣きそうになる。
上嶋への申し訳なさと自分の不甲斐なさに。





あいつは高校三年生でキャプテンにして、
俺の中で理想の経営者やった。

やる気のないチームメイトも多い中、
言葉と動きで仲間をついてこさせてきた。

所々で冗談。
天然ボケ。
意外とアホ。
時に暴力。
多少の危なっかしさも持っていた。


今考えれば、こいつも別に特別な存在ではない。
みんなと一緒。
所詮、18歳のクソガキ。

それでも若くして、
チームの事を考えねば!という自覚があったはず、
不安も多いのに、不安な顔したらあかんというプレッシャーも多かったやろう。


だからなのか、一個上の先輩の津田さんや上嶋にはいまだに頭が上がらない。

当時の俺はクソみたいな人間だったから、
今でも申し訳ない気分でいっぱいになる。


キャプテンの存在ってのを、会社をやってみて理解出来る。


めっちゃ、しんどいやん・・・。




俺は上嶋にいつも
権利を主張し、反発してきた。

意味がないって思った練習には、
文句を言ったし、
仮病を使って練習をサボったこともいっぱいある。


たぶん扱いにくい部下やったやろなぁ。


俺たちのラグビー部は目的もなく、
ただ楽しむだけの部活やった。

もし、誰か熱い奴がいて、

「 もっと真剣に練習して、花園目指そうぜ! 」

って言う奴がいてたら、絶対に無視されてたやろなぁ。

ほんまに目標もなく、情けない奴らの集まりやったわ。
もちろん俺は目標のない奴の代表格やったと思う。




それでも上嶋は一生懸命やった。



高校三年、最後の試合、
天王寺高校戦、

練習量も多く、ヤル気みなぎる天王寺高校の、
奴らにはまったく太刀打ちできん。

ラグビーは正直なスポーツや。
番狂わせはない。
練習をきちんとしている強いチームが絶対に勝つ。


もちろん俺たちは天高にボコボコにいわされる。
前半戦で諦めていい試合。
彼らにとっては、俺たち住高ラグビー部はザコだっただろう。


チームワークも段違い、スピード、当たり、
公立の高校では文句なく一番強かった。
ゴツゴツに痛くて、しんどい試合やったなぁ。




後半戦、グチャグチャのラック。
相手が強過ぎて俺らペチャンコ。
自陣ゴール前、ノーハーフ。

遅れてラックに入った俺の目の前にボールが転がってきた。

「 縦ついて、もう一回ラック作るか? 」
「 いや、フォワードは全員目の前でペチャンコなっとるがな。意味ないがな。 」

どうしよ・・・。



って時に、

「 うおぉぉぉいっ! 」

って声。

左数メートルサイドに上嶋がおる。

やっぱり、頼れるのはこいつしかおらんがな・・・。
その時、泣きそうになった。



すがるように俺があいつに放ったスクリューパスはヘナチョコでふにゃふにゃしていた。
技術を磨く練習をしてこなかった俺の成れの果て。

俺のパスはスピードが遅過ぎて、
上嶋の目の前にはディフェンスが
距離を詰めて迫っている・・・。



でも上嶋は、
そのヘナチョコパスを受けて二線に、
見たことないスピードのハリパスを送った。


思いっきり負け試合やったけど、
目に焼き付いてるわ。
技術のない俺にもそのプレイの凄さがわかった。


そのハリパスを受けられる技術のある仲間すらいてないのに、
なんでお前はこんな弱くて
志の低いチームでプレイしてるねんっ!
って突っ込んだ。

そして申し訳なくなった。

自分の情けなさが嫌になった。


※結果的に俺のパスはスローフォワードって反則だったため、
上嶋の技術はお蔵入り。





俺は三年間、
ホンマにあいつの足を引っ張ってたなぁ・・・。

俺なんか絶対にチームにおらん方がよかった。
単なる邪魔な癌やわ。



俺はただ、軽い気持ちでラグビーが出来たら良かってん。
女の子から格好良く見られれば
それでよかった。

ラグビーは嫌いじゃないけど、命をかけるほどでもなかった。

痛いのとかしんどいの嫌いやねん・・・。




そんな俺がチームにいてたのは、
やる気のある奴らに失礼やったと
今でも後悔している。


熱いこと言われたら、

「 いやいや、今のままでええやん。 押し付けんなよ。 俺は今くらい緩やかでええねん。 」

って気持ちやったなぁ。




今になって、
経営やったら初めてわかったわ。

キャプテンのしんどさ。



リーダーが立てた方向性に、
ついて来ないメンバーへのテコ入れ。

悩んでも自分の素を見せられへんこと。

愚痴りたいこと山ほどあること。

リーダーの悩みが尽きることはない。



チームメイトはプレイや練習に
全力になってくれればいい。


でも戦略や個人個人への適性、
段取り、練習方法とか考え続けなあかん。


内向きにも、外向きにもならなあかん。



優勝するチームってほんまに、
練習の意味がわかってて、
モチベーションも高く、
チームワークが抜群にええんやね。
そして、ついていけるリーダーがおる。

試合に強いんじゃなくて、
日々、心と身体の鍛錬に意識が高い。


そんなチームでプレイしてるあいつが見たかった。



だからこそ俺は、
もう二度とああいう腐った人生は歩まんって、
心に決めてます。


あんな俺がチームにいてたら、
やる気ある人達に迷惑をかけるだけだし、失礼だから。

やる気ある人達の人生を自分の欲のためだけに邪魔するのは絶対に良くない。


反省させてもらえるだけでもありがたい・・・。







というノスタルジックな俺の一方的な日記。
自分への反省も込めて・・・。


読んでくれている人、
共感出来る人がいてたら、
もう一回人生を考えて欲しい。

チームワークって、ほんまに大事です。
乱したら、そこからチームは腐っていきます。

一人でも違う方向に向いてたら、
絶対にチームはうまくいきません。

社会に出たら、お金ももらうわけやからね。
俺の犯した罪は報酬の発生しない、高校時代やったから良かったけど、
今の俺たちは会社から働いた対価として報酬をもらえる。

だからこそ、自分が演じるべき役割は、
口を真一文字にして、演じ続けべきやと思うのです。










しかし・・・、

最近、上嶋くすぶっとるな。

なんか、わかるねん。


錆びんなよっ!









※余談

でも上嶋は極度の変態やかんね。
ラオウ的な変態やから、
あんまり美化せんといてください。

ほんまに変態やからっ!
もはや、俺レベルではない。


ここまで滑らない変態逸話を持ってるのはコイツくらいやわ。



年に一回くらいは飲みに行きたいなぁ。



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