「表の理由」と「裏の理由」
「表の理由」と「裏の理由」
「表の理由」と「裏の理由」とはいったいどういうことでしょうか?
消費者が美容室に来店する理由を考えて見ましょう。
消費者は、美容室に行こうと思ったときは、必ず理由がありますよね。
例えば
・雰囲気を変えたいのでパーマをかけるため
・お髪が伸びたので、カットするため
・白髪も目立ってきたので、染めるため
・ロングヘアーをショートにするためのカットのため
・今までの色よりより1トーン明るい色に染めるため
・縮毛矯正するため
・ストレートヘアーだったので、今回はパーマでウエーブヘアーにするため
これが、誰が見ても納得のいく「表」の理由。
では、その奥に隠されている「裏」の理由を考えて見ましょう。
この裏に隠されている来店理由を感じ取ることが大切。
上記に挙げた「表の理由」の前に、「なぜ?」ということばをつけてみましょう。
すると見えてきます。
・「なぜ?」雰囲気を変えたいのでしょうか?
・「なぜ?」髪が伸びたからなのでしょうか?
・「なぜ?」白髪も目立ってくると、染めたいのでしょうか?
・「なぜ?」ロングヘアーをショートにするのでしょうか?
このように表の理由に隠されている裏の理由を考えてみると消費者の心理が見えてきます。
相手側に主導権を与える
現在キレイなイメージチラシはどうして、0.01%や0.001%程度しかレスポンスがないのでしょか?
毎日、新聞に折り込まれてくる多くのチラシを見て思うのですが、そこにはサロン主導のことばばかりが並んでいるのです。
チラシを見る消費者は受動的。
「最新の○○パーマはかけるとツヤツヤになります!」「○○トリートメントカラーは色もちもよく痛みません!」と言い切っているものを多く見かけます。
もっと言うと押し付けになってしまっている。
そこで、「痛みません」とサロン側では言わないにもかかわらず、消費者には「痛まないかもしれない」と思わせるように書くことで反応は高まります。
読み手に勝手にイメージさせて思わせちゃう。
あえて、お店側で一番言いたいことを言わない。
このテクニック(書き方)について考えてみましょう。
「悔しかった」ということばを例にとってみましょう。「悔しかった」という文字を書かずに「悔しかっただろう」と思わせます。
「僕は、全身から力が抜け、その場に座り込んでしまった。
右の拳をきつく握りしめ、床に何度も何度もたたきつけた。
頬を伝う涙。
気がつくと拳からは血がにじんでいた。
やっと掴んだみんなの代表だったのに・・・涙が止まらない」
この文章では、「悔しい」ということばは使っていない。
ただ、そこで起こっている事実を書いただけ。
事実だけを書くことで不思議と読み手は勝手に「悔しかっただろう」と感じてしまうのです。
美容室に置き換えてみると、先日、お客さまに、「今までの美容室のパーマは朝30分もかけてドライヤーと格闘していたのに、おたくで前回かけてもらったパーマは、毎日たった10分足らずですんじゃうのよ!忙しい主婦にはとってもありがたいわ!このパーマには、なにか秘密があるの?」と聞かれて、○○パーマの説明をしたのよ。
という「事実」を他のお客さまに伝えると、
「そのパーマは、ブローセットが楽に出来る」と勝手に想像してしまいます。
こちらで、「ブローセットが楽に出来ますよ!」
とは言っていないにもかかわらず、相手は勝手に興味を持って聞いてくる。
そこで、ようやくこちらで説明する。
この流れは、店側ではなく、相手側に主導権を与えているのです。
相手が聞いてくるから、教えてあげる。
あくまでも、相手を主導にする。こちら側で言い切らずに相手に判断させる。
「本来こちらで言いたいこと」を言わずに相手に想像させる。
しかし、ここで気をつけなければならないことは事実を言う(書く)ということ。事実でないことを言うと全てが水の泡。
「ウソ」を言うと悪徳業者になってしまいます。
今回のチラシの表では「このチラシを読んでいただいた見込み客に、【サロン側が、なぜ?このチラシの内容を知らせたいのか】という理由を事実(真実)そのままに書いて相手に伝えた」ということなのです。
「売れている」という事実から、「効く」という「効果」を勝手に想像してしまう
もう少し詳しく解説してみましょう。
こちら側で「効きます」と言い切ったときには、こちら側が主導的立場にあるということ。
たとえ相手がそれを信じたとしても「言われたから買うのよ!」と責任の所在はお店側にあります。
ところが、
「不思議なんですよ!今年のこのメーカーから発売された花粉症のお薬はむちゃくちゃ売れているんですよ。
わたしもまだ試してみてはないので、効くとは一概には言えませんが、ここ10年こんなに売れ行きの良い薬は初めてなんです・・・」
と言ったら(事実だったとして)相手は「そんなに売れているということは本当に効くのかもしれない」と勝手に思うわけです。
「売れている」という事実から、「効く」という「効果」を勝手に想像してしまう。
するとこの状態は、相手が主導的立場(決定した立場)にある。
こちら側で「効く」とはひとことも言っていないにもかかわらず、「効く」と相手が一方的に考えてしまった場合、責任の所在はもちろん相手にある。
「こんなに売れ行きの良い薬は初めてです」で止めることがポイントになります。
すると、相手に決定権が移る。
ここで、「こんな売れ行きの薬は初めてです、だから絶対に効くはずです!いかがですか?」と言ってしまうと、こちら側に主導権が戻ってきてしまいますね。
すると相手は「そんなに売れているからって私に効くとは必ずしも限らないでしょ」と心の中で反発したくなってしまう。
人は誰でも、相手に断定的に言われると反発したくなります。
あなたも、むかしお母さんから
「テレビばっかり見ていないで、勉強しなさい!」
って言われた経験ありませんか?
「今勉強しようと思っていたところなのに・・・。
今日は絶対やるもんか!」って思いませんでした?
この心理。