at sixes and sevens”は直訳すると「6と7に」ですが、

これは一つのイディオム(成句)で「混乱して、意見が分かれて」という意味になります。


なぜ、「6と7に」が「混乱」という意味になるのか。


この成句の由来をググったら、

「14世紀頃のさいころ賭博」が有力な候補として挙がります。


“Hazard”というさいころ賭博で、いつも5と6にばかり賭けることから

bet on five and six”(to set on five and six)「5と6に賭ける」が

「不注意で馬鹿げている」という意味になり、

それが時代を経て、「6と7」になり「混乱」という意味をもつように変化したそうです。


どうして「5と6」が「6と7」になったのか不明だそうです。



でも、数年前、大学の教授が別の説を教えてくれました。

それは、ロンドンのギルドに関係しているというのです。


ロンドンの中で、重要な地区の一つであるシティ・オブ・ロンドン。

イギリス版ウォール街といえる、金融街です。

古くから自治都市としての伝統があり、

なんと英国国王がシティ内に入る際には市長の許可がいるほどの格式があるそうです。

(シティ・オブ・ロンドンの市長は大ロンドンの市長とはまた別で、実際は名誉職にすぎないそうです)


そんな伝統あるシティ・オブ・ロンドンにはギルドがあります。

そして、Livery Companiesという歴史ある同業者組合連合が作られています。

それぞれのギルドは“Worshipful Company of ... ”という名です。


現在は(たぶん)110の数のギルドがあって、

順位があります。

特に、12番目までのギルドは“the Great Twelve City Livery Companies”として知られています。

1番偉いのはMercers(反物商)のギルド。

5番目はGoldsmiths(金細工商)のギルドで、ここが認め保証した金はとっても信用できます。

順位の格付けは、必ずしもギルドが成立した年代順、つまり古い順ではありません。

じゃあ何の順かというと、わかりませんでした。

権力をもっていた順かな……?

様々なギルドが格付けされたのは、(たぶん)1515年だと思います。


このような伝統と名誉あるギルド組合ですが、

6番目と7番目のギルドだけ、毎年入れ替わります。

SkinnersとMerchant Taylorsのギルドです。

なぜ、毎年入れ替わるかというと、

双方が6番目になることを主張したからです。

そして、結局偶数年にはSkinnersが6番目、奇数年にはMerchant Taylorsが6番目になることになりました。


このことが、“at sixes and sevens”が「混乱して、意見が分かれて」という意味を持つようになった

由来のいくつかある説のうち1つだそうです。



教授のお話(うろ覚え)と英語版WikiのLivery Companyのページを

自分で解読しながら述べたので、確実ではないかもしれません。

日本語のロンドンのギルドのページがインターネットであまり見つけられなかったし、

今回のネタに関係する書籍を私は一冊も持っていなかったからです。

だって、大学ではドイツ系を専攻していたんだもの!と言い訳しておきます。

でも、由来を知ると、その国の文化や歴史なんかも知ることができて面白いです(*´ェ`*)