9/5 Aleppo to Cappadocia


朝4時起き。


夜が明ける前のコーランの響きほど怖いものはない。


蚊に悩まされた宿をチェックアウトし、

うごめくようにコーランが流れる街を、歩き出す。

モスクの緑色のライト、チカチカと点いては消える蛍光灯、

人も車もほとんどいない。

そのような街の光景は、バイオハザードかホラー映画のように恐ろしかった。


頑張って起きて宿を出たのは、親切の国シリアを出て

トルコへ向かうため。


パンと水をいくらか買い込んで、5時にバスは出発!

シリア・トルコ国境までは1時間程で到着。


出国審査をバスの中にいながらできるという画期的システム!

バス会社の人が、パスポートを集めて手続きを代行してくれた。


シリア側からトルコの大地へ渡った瞬間、景色が明らかに変わった。

トルコは緑が生えている・・・! シリアがかわいそ~

国境を隔てるだけで本当に違う。

虫や動物から見たら何にも違いはないのに。

人工的に区切った線を1メートルでも渡れば、

文字、コトバ、お金の単位、物価、人々の服装、食事メニュー

こうも変わるなんてとっても不思議だ。

日本に陸路国境がないから余計にそう思う。



トルコの入国審査所は、とっても簡素な造り。

両替商がいたのか、それとも俺がただ気づかなかっただけなのか、

残しておいた700シリアポンド程(約14ドル)を両替ができなかったことが、

後で痛手となる。


トルコに無事入国を果たし、これが最後の陸路国境越えなんだ、

って思うと少し淋しくなる。



バスの終着点のアンタルヤまでは、すぐに到着。

ここはシルクロード最終地点でもあるらしい。


バスを乗り継いで、一気にカッパドキアまで目指そう。

トルコは一番長い期間滞在できる日程を組んでいるけど、

見所が多い分、たくさん回りたいので、時間を無駄にはできない。


メシを食べたり写真を撮ったりするヒマもなく、

早速バスを乗りつごうと思う。


シリアからのバスで一緒だったレバノン人と一緒に行動をすることに。

彼はトルコ人の彼女がいるらしくて、トルコ語を猛勉強した、と言っていた。

半年間だけしか勉強してないという割にはペラペラだった。


街の銀行で少しだけ両替を。

その後、オトガル(トルコ語でバスターミナル)へ。

レバノン人の彼がオトガルまでの情報を全て聞きだしてくれた上に、

セルビス代まで払ってくれたのだった。


先にアダナまで旅立っていったレバノン人から、コーラの餞別まで頂いた。

コトバもわからない、両替もしていない俺を、頼りないと思ったに違いない。

彼だってきっとお金はないに違いないけど、

会ってたった少しの時間した共にしていない『友達』に

無償の親切をくれるのがカッコよかった。 俺もこういう男にならなくちゃな。


かたじけない・・・。



カッパドキアまでの直通便はなく、アクサレイという都市で乗り換え。

その便待ちの時間に、初トルコ人友達ができた。

大学生だという女の子。色々と質問をされた後、記念に彼女のペンをくれた。

俺は5円玉を。(価値ないものですみません)


最近感謝のコトバ以上に何かしたい気持ちが強くなって、

何か渡せるものないかな・・・って考えたときに、やっぱ日本円なんです。

5円玉とかだと珍しい形だから喜んでくれたり。

旅行するときは、小さなお土産か多くの小銭を持って来るべきだね。




アクサレイ行きのバスが11時に出発。

となりのおじさんの臭い脇が気になりながらバスは進む。




初トルコ飯☆

休憩ポイントで食べたドネールケバブはめちゃうまかった!!

3.5リラ(約300円)は決して安くはないけど、

評判どおりのトルコ料理に感動。

何よりもパンが今までと違って、モチモチしてて、うま~




バスに戻って、トルコ語を勉強してたら

周りの人たちがプチトルコ語講義をしてくれた。

日本代表のイナモトがトルコのトップフットボールチーム「ガラタサライ」に

移籍していた、と知ったのもこの頃。




トルコバスはとっても快適!

日本のバスなんかよりも優れている点がたくさんある。


座席1台1台にヘッドセットが置いてあって、

好きな時にラジオや音楽が聴ける。

定期的に手を消毒してくれる。

冷たい水をくれる。

お菓子をくれる。

チャイか、コーヒー(ネスカフェ)をくれる!

サービス係がバス1台に一人ついていて、

とにかく色々とくれる。

ゴミが落ちていない。そしてメルセデスベンツ! (しょっちゅう洗車が行われている。)


鉄道が進化していない分、バスは進化し続けている。

どんな地方のオトガルへ行ってもバス会社が多く、

競争が激しいことがうかがえる。

メキシコのバスも相当レベルが高かったけど、

トルコはそれ以上かもしれない。





太陽が当たる肥沃な土地を見てたら幸せな気分に。

夕方にアクサレイに到着。

行き着く暇もなくギョレメ村行きのバスへ乗る。


北海道のような雄大な土地になってきた。

それにしてもトルコ人女性は美しい。

イスラム教なのに肌を露出している、化粧をしている。

久しぶりに見た女性の肌に興奮しているだけかもしれない。


バスはギョレメ村まで行くかと思われたが、

ネブシェヒルでまたもやトランジットだ。


しかし、ここまでくれば、もう観光地。

観光客に優しい環境になってきた。


カッパドキアまではかなり距離があって、

正直、どこまでいけるか不安だったけど、何とかなるもんだ。


ネブシェヒルから普通のセダンに乗り込む。

同乗者は韓国人観光客3人組。

なぜか俺は英語が絶好調に話せる。

たまに、スーパーマリオのスターをとったときのように

“乗っている”ときがある。


ようやく目指していたギョレメ村に到着したのが20時頃。

朝4時に出たと思うと、結構シンドかったと思う。


バス会社に勧められるホテルをサッサと断り、

ガイドブックに載っているホテルへ。


ギョレメ村は、洞窟宿に泊まれることで評判なのだ↓

洞窟宿


洞窟宿


巨大ドミトリー(30ベッドはあっただろうか・・・)なくせに、

俺一人で宿泊。なにやら、昨日団体客が出て行ったばかりなのだそうだ。



レストランにて、ペコペコお腹にパスタをぶちこむ。

シリアで食べたパスタと違って、めっさウマイ。

日本で食べるのよりうまい。


しかも、エキメッキ(パン)までついてきておかわり自由。

(炭水化物×炭水化物ってのは気にしないらしい・・・)


トルコの物価の高さにビビリまくっている俺は

ビールを控えてチャイで我慢する。


でも、やっぱり長距離移動のご褒美に、、、

コンビニでEFISビール(2リラ=170円)を買って満足。