9/10 from Pamukkale


トルコのほぼ中央部に位置するカッパドキアから

西部にある世界遺産「パムッカレ」へ。


トルコは意外と広い。


まだ宵のうちに深夜バスに乗り込んだのに、

パムッカレ近郊の町へ着いたら、もう朝になっていた。



とはいえ、空いている車内で2席を占有し、

爆睡しているうちに着いてしまったのだが。



まだ眠気まなこの自分は情報をつかむのに必死だった。


パムッカレは観光地として有名ではあるが、

小さな村らしく、ここからもう一つ乗り継がなくてはならない。

そして交通の便は悪い。



支払い済のバス賃には、

パムッカレへの乗り継ぎ賃も含まれていると聞いていた。


しかし、今まで乗っていたバス会社と同じ系列のバスなんか見当たらない。

まだ薄暗闇の中で、観光客たちは迷っていた。


すばやく行動を起こした者は、

運よく無料でピックアップしてくれる車を見つけたようだった。



数名の現地民が声をかけてくる。



「5リラでどうだ?」


いやだ。無料と聞いたからには、絶対無料でいけるはずだ。

旅人が移動するときは、常に情報が非対称だ。



寒い。腹減った。




タダで乗せてくれるという怪しいおやじがいる。

みんなそこに乗り込むようだ。


聞くところによるとホテルのワゴンらしく、

おそらくホテルに無理やり勧誘されるやつだ。

そして、泊まらないとなると、移動賃を請求されるに違いない。


しかし、これに乗るしかないんだ。

このままあと数時間もバスターミナルで待っていても拉致があかない。

そして、若干腹が痛い。


確認には確認を重ね、

無料で乗せてくれることを了承してもらった後でワゴンに乗り込む。



ムスッとしている変な日本人がいるな、

と観光客を含め誰もが思ったことだろう。



ワゴンは案の定、パムッカレのあるホテルに停車した。


トイレだけ借りて、サッサと歩き出す。

悪くはないホテルみたいだったけど、

なんか気持ち的に相手の思うツボのような気がして。。。



またここで久しぶりの1人になる。あえて1人になった。



ガイドブックの宿を目指して歩き出す。

変なところで降ろされたから完全に道を失う。


でも、トルコの田舎町って感じで、のどかで気持ちいい。




適当に歩いていると、行きたかったホテルに運よく到着。

窓をゴンゴン叩いて、オーナーを起こす。


久しぶりにシングルをとってゆっくり休もう。






ブリブリ。


若干気になってはいたが、

腹が猛烈に痛くなる。



チーン。



昨日のバスで寒かったからに違いない。

変なものは一切食べてない。

自分の場合、腹痛はいつも寒さからくる。



にしても、ホテルにきて緊張がほぐれから腹が痛くなるんですね。

緊張している間に体はしっかり丈夫なんだから

人間ってのはよくできたものだ。




いつの間か寝てしまった。


疲れが溜まっていたのだろう。



気付いたら、外は雨がシトシトと降っている。


久しぶりの雨。 それも、日本みたいな。


動く気がしない。

いや、動けない。



一向に直る兆しがない腹痛と戦う。


カンボジアで生水を飲んでも、

メキシコでいくら大量に酒を浴びても、

腹を下さなかった俺が、、、ここにきて腹痛。


起きたら外は暗くなっていた。

本当は、そのままパムッカレの温泉に入る予定だったのに。


計画通りに進まないから、余裕をもったスケジューリング。

ほんと計画的な俺。


でも、旅も後半だと思うとすごく1日がもったいない気がしてならない。



ようやく部屋を出ると、

宿のオーナーが心配そうに俺を見る。


「ずーと寝てるし、死んだみたいだったぞ」



確かに死んでた。

腹が空きすぎて、ホテルでメシをいただく。



日本人のグループもいて、

ナルギーラを吸ってみたいというので、伝授する。


け、そんなコトも知らないでトルコを旅しているのか~

甘ちゃんどもめ!


といった感じだ。




1日ムダにした分、

夜に少しだけ辺りを散策しに出かける。


しかし、ほんと何にもない村だ。

明るいところすら少ない。



またまた腹痛が襲ってくるが、

高級ホテルに客のフリをして入り込み、

何食わぬ顔をしてトイレを済ます。



あ~ BAD DAY です。


明日からは、また精力的に動き出そう。