オデオン劇場で千秋楽の日にLe Soulier de satinという演劇を観に行ってまいりましたラブラブ

ポール・クロデルという劇作家のもので11時間以上にわたる超大作です。ポール・クロデルはロダンの愛人で彫刻家のカミーユ・クロデルの兄にあたります。大使として外国住まいが長かった方で、日本にも滞在していた模様。そのためか、この作品の主人公も晩年を日本で過ごすという展開になっています。演出はオデオン劇場のディレクターに今年から就任したオリヴィエ・ピー

それにしても、午後1時に始まったこの劇は、4幕あって2回20分のアンラクト(休憩)と再終幕前に50分の休憩があったので、家まで戻って軽くお食事。さすがに、最終幕は観客も俳優さんもちょっとフラフラガーン。でも、夜の12半にみごとに千秋楽、終わりました!!!みなさま、ごくろうさまです。でもまあ、主人公を演じたフィリップ・ジラール。12時間ぶっ続け労働ですよ。演劇ってすごく重労働なんですよ。私も演劇ちょっとやっていたので、2時間くらいの劇でも毎日終わった後はフラフラ。12時間ってほんと、ちょっと想像もできませんねー。

まあ、演出家のオリヴィエ・ピーの作品は概して長いのものが多いのですが、これに太刀打ちできるのは、数年前にアヴィニョンの演劇フェスティバルの開幕作となった、エリック・ラカスカド演出のチェーコフのイヴァノフの24時間!!!くらいですかね。個人体験では今回以前では、アリアン・ムーシキン演出の6時間が最長でした。

それにしても、オリヴェエ・ピーの演出はすごいです。いつも大人数の配役だし。いまのフランスでここまでの規模の俳優軍を使って劇をたてるのはこの人とオペラ・コミックのディレクターを去年で引退したジェローム・サバリーくらいでしょう。費用がすごくかかりますよね。これって。イギリスだと4人くらいまでに押さえた新作演劇でないと、プロデュースするのは難しいなどど聞きますが、ここは社会主義国家フランス。こういう文化的な冒険をできるようなお国柄です。そのため、お値段もかなりお手頃。こういうものを利用しない手はないわけです。というわけで、演劇好きの私はとくに冬の間はせっせと劇場に通っております。来週は前回みそこねた演出家、トマス・オステルマイヤーのものを観に行こうと思ってます。みそこなったのは、シェークスピアの「真夏の夜の夢」だったんですけど。

馬で世界を駆け巡る-Le Soulier de satin
Le Soulier de satin
オデオン劇場のサイトから写真借用



de PAUL CLAUDEL
mise en scène OLIVIER PY

scénographie et costumes : Pierre-André Weitz
lumières : Olivier Py et Bertrand Killy
musique : Stéphane Leach (sauf «Le Cantique de Jean Racine» de Gabriel Fauré)
assistante costumes : Nathalie Bègue
assistants mise en scène : Olivier Balazuc et Antoine Baillet