先月の観劇記録です。
いつものように下書きに埋れていましたてへぺろ
菊五郎さん、文化功労者に選ばれましたこと、おめでとうございます拍手花束
菊五郎さんは、「脇役の育成」「面白い歌舞伎」「大好きな世話物の継承を」、とおしゃっています。
ちょうど、10月公演のご出演は世話物でした。


四、人情噺  文七元結

三遊亭円朝 口演

菊五郎さんの左官長兵衛と時蔵さんの女房お兼。
歌舞伎を見始めた頃から、世話物の菊五郎さんと時蔵さんの夫婦が大好きです。とても良いカップルだと思います。

真っ暗な家に、左官長兵衛が帰ってきます。かかあはいないのか?いいえ、ちゃんといます。娘お久がいなくなってしまったことを、長兵衛がのみこむまでのやりとりからして、面白いです。台詞の間というのか、まさに息が合っているという、ポンポン!とテンポが良くて、緩急もあり、円朝口演の噺が元になっているのだなあ。落語ってこんな感じ、と思います。
菊五郎さんの、江戸っ子職人の、真っ直ぐで危なっかしいけれど、人情の厚いところ。時蔵さんの妻は、そんな夫に言いたいことは言いつつ、愛想を尽かしているようで、体当たりで支えている感じがします。それが可笑しみに表現されています。
絶品だと思います


尾上右近さんのお久は、何回か拝見していますが、いつも変わらずみずみずしいと感じます。不甲斐ないおとっつぁんなのにグレずに、家族のために自ら苦界に身を投じるなんて。家族想いの純粋な娘さんです。

文七元結は、悪い人が誰も出てこない、大団円の江戸庶民の物語です照れ