都会と漁師町。
根底にあるのは、人と志。
人と人が、心を通わせることが、温かく感じられる作品でした。

以下、内容になります。





都会に生きる、IT企業のCEOの中原。
冷徹に見えるほどの手腕で会社を大きくしています。
自分の方針に従わない者は容赦無く切り捨てる。
共に会社を立ち上げた友さえも。

その友、航平は、他の町で病死しました。
何度も携帯電話を鳴らしていたのに、中原は無視していました。
やっと応答した時に鳴らしていたのは、航平の娘 瞳でした。

航平が亡くなったのは、漁師町、新湊。
盛大な曳山のお祭りがあります。
町を訪ねた中原は、航平が曳山に掛けていた思いを知ります。

瞳の言葉。西町に渡ってしまった曳山を四十物町(あいものちょう)に取り返して欲しい。
西町が約束を守らなかったのです。
航平は、西町の町内会長に掛け合っていましたが、志を遂げられずに亡くなってしまいました。
思いを受け継ぐため、中原は自分のやり方で行動を起こします。
「友へ」の手紙。

都会では、自分の会社に不正があり、特捜が入るような事態となりました。

瞳や、曳山に熱い思いを持つ町の人たちと関わるうちに、冷たく頑なな中原の心が原点に帰っていきます。

次第に町の人たちにも受け入れられるようになり、四十物町に味方する人が多勢になって、曳山をつなぐことができるようになりました。


人生は、失ってから大切なものに気付く

曳山は、縦にも横にもつながっているもの
先祖から受け継ぎ、未来へつないでいくもの
町の人たちがつながるもの

歳を取ることは、次世代の成長をみること



航平は会社を離れた後のことを、部下の沢井に託していました。

中原はCEOを解任されてしまいますが、会社の起業時の精神は受け継がれるでしょう。

友情は、壊れずにつながっていました。


曳山のお祭りの場面はとても迫力のある映像でした。
曳山に掛ける人たちの思いを強く感じます。
つなぐ人たちの強さと温かさが、大切なことを伝えていると感じました。