中日以降の舞台を拝見しました。

今月は『義経千本桜』染五郎さん、猿之助さんが中心の若い座組です。

第1部の渡海屋~大物浦は、染五郎さんも猿之助さんも初役でした。

渡海屋銀平は、鯔背で染五郎さんらしく表現されていたと思います。
知盛は、安徳帝の行末を義経に託して、自ら最期を迎えるまで、強い武者でありました。
今の染五郎さんが凝縮されているように感じました。

何度も演じられている幹部役者さんの舞台を思うと、この役の奥深さを感じます。
大物浦での知盛の気迫、執念は、舞台に立たれている役者さんから滲み出るもののようです。
50代、60代、70代の染五郎さんの碇知盛を是非拝見していきたいと思いました。


猿之助さんの典侍の局にも、同じように気持ちの強さを感じました。
安徳帝の乳母として、帝と平家の世を護りたい気持ち。
しかし、劣勢と分かると、潔く最期を決意し、安徳帝に入水を諭す場面に、無念さと哀しみの思いが強く込められていると感じました。
猿之助さんから、凄い力が伝わってきました。


安徳帝のタケルくんは、初お目見得。
台詞がとても落ち着いていました。
安徳帝が典侍の局と知盛にかける言葉が、舞台上の人物の心を動かし、観客を感動させるのです。
6歳のタケルくんの演技は素晴らしかったです。

弁慶の猿弥さん、余裕というか風格がありました。
相模五郎 右近さん、入江丹蔵 亀鶴さん、義経 松也さんと若い座組でした。

若い役者さんが、新作ばかりではなく、古典の作品も演じられることを、これからも楽しみにしています。


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