佐吉が卯之吉を可愛がっているのが良く伝わってくる程、何とも言えない気持ちになります
卯之吉を非情に扱った丸総に渡すまいと、必死に立ち向かうところ。
大工辰五郎にも、同じくらいの愛情を感じたい。
佐吉と卯之吉を住まわせているのが、迷惑っぽく感じましたが、そうではなく、佐吉がお金を作って出ていこうとしていることに憤りを感じていたのでした。
鍾馗の仁兵衛、猿弥さん、落ちぶれてもまだいきがって、あがいていました。
成川郷右衛門、海老蔵さん強かったけれど、佐吉の方が思いが強かったということですね。
女性の登場人物、鍾馗の娘お八重も、丸総に嫁に行ったお新も、事情があるにしても非情だといつも感じます。
米吉さんお八重はまだ若いから。
笑也さんお新は、相模屋政五郎を頼み、大人の事情で子供を道具のように扱っているように思えてしまいます。
卯之吉にとって、どちらの人生を歩ませるのが良いのか。
佐吉を諭す政五郎は、憎まれ役にならないように、人格者でなくてはならないお役だと思いました。
佐吉は鍾馗を継がない道を選びます。
金や地位を得ると、自分ではなくなってしまう。
ぶれない生き方が、潔いです。
別れの場面は、やはり悲しいです。
卯之吉の猿くん、好演でした。
by otatsu