妊娠がわかってからというもの、彼はいつも以上に優しくなった。


例えば、買い物に行ったときなんかもそう。


たいして重くもない買い物袋も「俺が持つから。」といって聞かない。


妊娠したっていってもそんなに気を遣わなくてもいいのに。。。


それから、ご飯もそう。


「赤ちゃんのために栄養をとらなあかん。 マキが食べたくなくっても、赤ちゃんのために食べるんや!!」


などなど。


そのたびに私もこう答える。


「赤ちゃんが食べたくないってゆうてるえ゛!


自分の都合のいいように、自分の意とは反して赤ちゃんがそう言ってるんだ、といえばあっさりひきさがってくるのが面白くて何度もこの手を使った汗。   



来年の夏には赤ちゃんが生まれる。


私たちは、今いる愛犬たちにも


「来年には赤ちゃんが生まれるからな、お前らお姉ちゃんになるねんでー。」 と話しかけた。




そんなある日、事件は起こった。


ご飯を食べ終わって、テレビを見たりしながら彼とゆっくりしていたときだった。


コマーシャルの間、トイレに行って、何気なくパンツを見た。


血・・・!?  


パンツにうっすらとピンク色の血がついていた。


ティッシュで拭いてみると、やはりピンク色の血がついてきた。



彼に血のついたティッシュを見せた。


「ねえ!!血が出たんだけど、どうしよう??」


ひとりおろおろする私。


「病院に電話してみろ。何番や!!」


「そんなん、夜なのに対応してくれへんよ。」


一方、彼はすぐさま病院に電話をしてくれた。


かかっていたF医院は入院施設のある病院だったので、夜間も対応してくれた。


そしてすぐに先生と電話がつながった。


先生「どんな様子ですか?」


私 「ピンク色の出血があるんです。それに、激痛って訳ではないんですが、少し左下くらいのお腹に痛みがあります。」


先生「そしたら、明日予約をとってあげるから病院に必ず来てください。   それから、できるだけバタバタしないようにして安静にして下さいね。」


そういって電話を切った。


明日、病院に行ったらなんとかなるだろう。


ちょっと安心して、その日は眠った。。。