ナウシカは何回みてもいい!

前回に続き今回も就活の話をしよう。


ANAを受けに行った時のことだ。


当然のごとくエントリーシートが通った俺はナオヒロ氏にその旨を伝える。なんと彼も奇跡的に通過したというではないか。次回はセミナーっぽいのがあるということで俺は彼と説明会日時を示し合わして一緒に説明会場に向かうことにした。


ところで、ナオヒロ氏はディスパッチャーなるものになりたかったらしい。

業界研究をしていなかったため、ディスパッチャーの何たるかを知る由のない俺に、彼はディスパッチャーとはどのような仕事であるのか。どうして自分はディスパッチャーになりたいのか。ということをじっくりと真剣に語ってくれた。


説明会当日、俺はナオヒロ氏と野次馬感覚で隣あってすわり、説明会に臨んだ。しかし、そこで俺達は驚愕の事実を知る。説明会の後に一次面接が待ち受けていたのだ。しかも集団面接である。



かくして、俺達はなんも準備もないまま集団面接に臨んだ。さらにばつの悪いことに、隣あって座っていたため俺とナオヒロ氏は同じグループになってしまった。友達と同じ集団面接ほど気まずいものはない。



かくして、俺とナオヒロ氏のガチンコ面接タイムはスタートした。


5人一組。俺は真ん中。ナオヒロ氏は一番右端である。


「まずは簡単にひとりずつ自己PRしてくれるかな。じゃあ右端の松本君から」


「はい!えっと!わたくしの持ち味としましては!まずなによりも!・・・・」


ナオヒロ!緊張しまくり!完全に棒読みなってんぞ><

聞いていられなかった。。


志望動機も終え、

「じゃあ次はANAに入ってやりたい仕事いってくれるかな。じゅあまんなかの森本君から右に向かってお願いします。」


まず俺が答える。ナオヒロ氏は三番目だ。十分前の人の話を聞き、自分の発言を練り上げる時間はあるように思われた。


「じゃあ、次、松本君。」



「っはい。・・・え・・・っと・・・。え・・・・ぁ、あ!・・・す、すいません!質問なんでしたっけ??もう一回いってください><」




エーーーーーー!!!!!!?????

である。

さんざん俺にディスパッチャーについて語ってくれたやん!!

前代未聞の珍解答である。




俺は、極度の緊張の中で完全に頭が混乱している彼を見て、笑いをこらえることが出来なかった。






帰りの電車の中。

反省会。

正直、俺もナオヒロ氏にペースを乱されたのか内容は芳しくなかった。


お互いに改善点を言い合うなかで彼は静かに、こう言い放った。





「・・・・。もう、だめぽ。」




就職活動という死のロードを歩みだした彼がはじめて発した就職活動に対する感想であった。


そしてさいごに、彼のパソコンのお気に入りには2ちゃんねるが入っていることを付け足しておかねばならない。