モスクワ。晴れ渡る空。すでに日の入りは7時以降。



春到来!!!


らしいです。といってもまだまだ氷点下ですが。


でも、日本語を勉強している大学生のタラスは、「俺ってば春が好きなんだから!!」
と興奮気味な日本語を話し、リーダに至っては、「リーダは春が好き~」と言い(歌い)ながら
通りでくるくる回転しだし、踊りださんばかりの勢い。



すこぶる陽気です。




「いやいや!まだまだ氷点下やん!どこが春なん!!」


と舞い上がっている彼らに冷や水を差すと、またリーダが。


「あのね!季節は気温じゃなくて暦で決まるのよ!気温じゃなくて暦が気分に影響を与えるのよ。
気温で季節を定義したら、ロシアなんか春は1か月、夏は2か月、秋は2か月、
冬が7カ月もあることになるじゃない!!!
そんな国いやでしょ!!だから3月になったら氷点下30度であろうと春なのよ!!」


と、妙に納得感のある見解を示してくれました。



そう。確かにもう春なんです。少なくとも春の訪れはすぐそこまで。
そして春が来たと思ったらあっという間に夏が来ます。


そして、それは同時に僕のモスクワ滞在期限がすぐそこまで迫っていることを意味します。


第二の故郷モスクワ。


巨大な矛盾を抱えながらも、それさえも飲み込む包容力を持った摩訶不思議都市モスクワでの生活は、僕に色々なことを教えてくれています。


そして心やさしいロシア人。愛すべき友人たちの存在が、猛烈に僕の後ろ髪を引っ張ります。
日本を離れる時と違い、いつまたモスクワに戻ってこれるかの保証がないから、なおさらです。


でも、ぼちぼちモスクワを去る心の準備を始めよう。夏にセンチメンタルになりすぎないように。

そして新天地での新しい生活に心躍らせ希望を膨らませよう。だって季節はもう、陽気な春なのだから。