『一に曰く、和ぐを以て貴しとし、さかふること無きを宗とせよ。(中略)上和らぎ下睦びて、事を論ふに諧ふときは、事理自ら通ふ。』


みなさん御存じ、日本で最初の憲法、17条憲法の第一条です。


他人との協調性を重んじ、むやみに争いを起こしてはいけない。


ということです。


これは、詳細は省きますが、「国譲りの神話」に基づく、日本古来から伝わる神道の思想だそうです。


確かに「協調性がある」というのは、我々日本人の間では褒め言葉だし、逆に「あいつは主張が強いやつだ」は、どちらかというとネガティブな表現ですよね。


そして、この「協調性」を今風に言うと、所謂「空気が読める」ということでしょう。



僕たち日本人は一般的に、「相手を思いやり」、相手を傷つけないように言葉を選び発言をするし、

議論をする時も「相手をやりこめるまでは追い詰めない」場合がほとんどです。



なぜなら僕たちは「むやみに争いをおこすことを良しとしていない」からです。


この考え方は、まぎれもない日本固有の思想であり、美徳であり、日本人が考えるところの正義です。


実際、日本で社会の一員として活動する上で、この考え方は大変重要であり、この思想が体現出来ない
人は、会社内であり、取引先からであれ、友人内であれ、「あいつは空気が読めない。」、要領の悪い、所謂出来ない奴の烙印を押されてしまいます。


実際、僕も自分の主張があっても、場の空気や雰囲気を必要以上に感じ取り、主張を控えることはよくあります。
自分の主張を押さえてでも、「無駄なコンフリクトを生まず」「全体の協調を保つ」事の方が正しい、と無意識に判断してしまうのです。


よくも悪くもものすごく日本人的なんですが、これだと外人(今の僕の立場だとロシア人)を相手にすると、なかなか事がうまく進まない。


相手は直球ですから。

かみ合わない。議論してもだいたい負ける。

それに加え、例えばこちらが日本人と接する時と同じように、相手を慮ってすこし遠慮目に、若しくは婉曲的に対応・発言しても、ロシア人には「相手を慮る」という考え方自体がそもそもないないから、こちらの意図を理解できず、逆に変な誤解やコンフリクトを招くことがあり、ひどい時には人間性さえ誤解されてしまいます。


そうなると、お互いを理解し合うことすら難しくなる。


つまり、日本人の美徳が、外国人には理解できないということなんです。

べつにこれはどちらがいい悪いじゃなくて、それぞれの育ってきた環境やその土地固有の歴史や価値観、宗教、国民性に基づく普遍的な相違の結果。



そこで僕が今後、日本人として、世界を舞台に活動する上では、



「日本標準と世界標準のダブルスタンダードを持つ。」



ということが、大変重要なんだと思ってます。


そしてこの世界標準っていうのは、結局のところ、自分と価値観や考え方、思想の異なる人と腹を割った付き合いをして、議論する中で養成するしかないのかなと思ってますが、簡単に言うと「ちゃんと自分の意見をもって、はっきりとモノをいう!!」ということです。言葉にすると当然のことなんですが、なかなか敢行するのは難しい。特に僕みたいな慎ましやかな人間には。(いや、本気で。)

頭ではわかってても、ちゃんと体に染みてないと、土壇場で実行できないですね。
自転車に乗れるまでたくさんこけるように、色々と体当たりで試行錯誤するしかないんだろうな。


個人的には、僕は日本人の間でも、周りに配慮し過ぎて遠慮しすぎる癖があると自覚してるので、言うべきことはしっかりと言う!!ということを徹底して、日本標準装備の自己主張のダイアルもひねり気味でいかねばならんと思っております。


もちろん、自分の意見だけじゃなくて、日本人の優れた美徳や美意識もしっかりと外人に主張していく所存であり、その為にも日本への理解を一層深めなければならないと思ってます。


纏めると(纏まってませんが)、日本の良さを体現出来る国際人になりたいのです!!


今日はだらだら書いたくせに内容が全部抽象的で掴みどころがなく、申し訳ないです。


前回の続きでもありますが、モスクワの夏は最高なんです。
すでに日暮れは22時を過ぎてるし、気温は30度近くまで上昇してるし、でもカラっとしてるから
過ごしやすいし。


一般的に国民性の形成要因として、宗教、歴史、地理に加えて気候が挙げられますが、
ロシア人は、長くて寒く暗い冬がある分、夏にテンションを爆発させる、という特徴がある、
と理解してます。

ということで、今ここにあるサムシング何かを求め、ウォッカとバラの花を両手にモスクワ川沿いを散策すると・・・

めっちゃ人おる!!

音楽めっちゃ響いてる!!!


野外ダンス会場発見!!!そしてペアのラテンダンスがやはり主流!!!

ということで、ウォッカを振舞ってロシア人と仲良くなる作戦は使えませんでしたが、


(こんなまぬけな話をしてもいいものか、)

めぼしい真っ赤な女性にバラを渡し、

「shall we dance??」です。


ちなみに、一時期ダンス教室に通うも、体がダンスのリズムを受け付けず、全然上手にならなかったため、正確には


「Teach me how to dance!」です。もちろんロシア語でですが。


日本でいきなりバラを渡そうものなら、「なんでこの人そもそもバラ持ってんの?」と怪訝な目で
みられますが、ロシアなら素直に「あら、なんて気の効いたプレゼントをなさるのこの殿方は!」
と、素直に喜んでくれます。だから好きなんですロシア。笑


これをプレゼント文化と呼んでいますが、ロシアでプレゼントは絶対的に“善”なんです。

日本人みたいに、プレゼントの裏にある心理(下心)の詮索なんかしません。
TPOとか関係なく、より高価でより豪華なものがとにかく喜ばれます。
気持ちをプレゼントで表す文化です。

ただ負の面をみると、ロシアの深刻な賄賂文化とも繋がっているわけですが。

例えば、ロシアではテスト前に生徒が先生にチョコを持っていったりします。これも一つの
賄賂行為ですが、いまだに一般的に行われています。

日本だと、ある意味先生を侮辱する行為だと思うのですが、ロシアでは全然通用します。
この辺の価値観は日本人とロシア人は決定的に違うなと思います。
頭では理解できても、心で納得できない文化の違いはいくつかありますが、そのうちの一つです。


でも、ようは、実際の自分の経験のなかで、そのような国民性の違いを発見し、体感し、
検証しながら、ロシア人との交流を図り、ロシア人の国民性について体感し理解を深めていきたい、
そう思うのです。



月曜日、10日間のぶらり旅から帰ってきました。

エストニア、ラトビアのバルト三国を北からくだり、ウクライナのLvivを経て黒海に面するオデッサという街まで南下し、モスクワに帰ってきました。


リゾート地オデッサで暖まって帰ってきたら、なんとモスクワ気温27度!!

オデッサより暑いし!

モスクワでは春コートを羽織る間もなく、一瞬で夏になってしまいました。

部屋から臨むモスクワも深緑に包まれております。



街行く女性の姿はほぼ水着状態。やばい。

おっちゃんもサングラスをかけ裸で歩く。しぶい。

そして何よりも、モスクワは夏はラテンの国となり皆アゲアゲとなりますので、

わたしもモスクワ最後の夏を最大限満喫すべく、気持ちをラテンモードに、

改めて気を引き締め直した次第です。




ところで旅から帰ってきた翌日に、僕の通うアカデミーで、鈴木ムネオさんの

講演会があったので参加してきました。

発言内容は本で自著で書かれている内容と同じでしたが、必死に民主党鳩山政権

を擁護するあたり、ある意味ものすごい政治家魂を感じました。

後は、ちっこい、声が高い。



その後ロシア人の友達(外交官志望)と話をして、「日露関係発展のためには平和条約は必ずしも必要なのかな??別になくても発展していけるんじゃないかな??」というような質問を受けました。

ロシアの対日感情は基本的にものすごくいいけど、日本の対露感情は良くないから、

北方領土問題の解決と平和条約の締結は、日本人の対露感情を好転させるためにも必要だし、お互いの相互理解・認識の下に初めて発展的な関係が構築できるんじゃないかな、ということをその時は答えましたが、


後で考えるとなるほど彼の言うことも一理あるなと。

平和条約無くとも、人的・文化的交流、経済交流の中でお互いの溝を埋めていければそれでいいかもも。

政治のことは政治家と官僚にお任せし、僕としてはやはり経済分野で、日ロ関係の向上に貢献できればという思いを改めて強くし、旅ボケから心を引き締めなおしました次第です。


かしこ。