*そのほうこうには  だれも  いない*-100103_2245~01.jpg
疲労は少しあるが、澱む程では無い。
「それじゃ、行こうか?」
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ドSゾーマは…、とぼけぶりを発揮している……。
もう、そうとしか思えない。空気を読めないヤツなんだろう。
「『人を捜している』っつってんだろうが」
「聞く耳ないんだね……」
「困りマスね……」
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「ドSなら、そうかもしれないですけど……」
「もういいって、可憐ちゃん。話しても無駄のようだ」
戦わなければ、わからない……。やはり、そういうことか。
*そのほうこうには  だれも  いない*-100827_1439~030001.jpg
冗談でも、それだけは御免こうむるよ。
*ほろびを もとめよ されば あたえられん!

「ー」

強い。
三回行動という手数に加え、パーティ全体への攻撃呪文・・・マヒャド、単体を易々と瀕死に至らしめる・・・メラゾーマ。
苦しい息を、吸っては吐いた。
強い。
マヒャドはラゴンヌに連発されるよりも、威力が高く、魔法の鎧がぶっ壊れてしまいそうだ。
統べる者の、決定力。
僕らが、それを上回れるだろうか。
かれんの詠唱は、止まない。ベホマラー。
乱されるな。慌てるな。

「ー」

 まもる→こうげき
 よつば→バイキルト
 かれん→ベホマラー
 あに →こうげき

よつば自身へのバイキルト。これで攻め上がれるだろうか……。あちらは磁場で回復しているだろうが、かれんのベホマラー詠唱が、遅れはじめる。蓄積してゆくダメージを癒すには、自分がベホマを。バイキルトを帯びたが、あにやまもるには、追いつかないかもしれない。

「ー」

ピオリムの後は、ベホマラーしか詠唱していないような気がした。
防御攻撃にも、詠唱にも、集中しきれない。なんだろう?この嫌な感じは。
拭えない疲労は、癒せない。
漂うものに、飲み込まれないように、必死で踏ん張る。
いっぱいの不安が、溢れ出しそうだ。
だが、斃れるわけにはいかない。

「ー」

あにと攻め続けていた。
ゾーマが、身につけているローブごしではあるが、確実にダメージを与えていると思いたい。
反撃は強烈な呪文よりも、毒を含む爪撃が恐いが。こちらの攻撃に、防御も回避もしないゾーマを、壁だと見定めた。いつか越えたい、いつかぶち破りたい、壁。
駆けた。
ピオリムとバイキルトが漲る。


続く