「それを…………人は、……/幻/影/陣/と……そう、呼ぶの…………さ……」

陣!?呪文じゃないの!?

「あ……【マヌーサ】…………だったかな……。
 すまない……」

兇悪な呪文なんですね!

「影千代…ちゃんが、言っていたよ」
「……ん?」
「僕に『傷をつけて貰えるなら、光栄だよ』って…。千影ちゃんは、同じ考えじゃないって、今…何となく分かった」
「あにくんは……どうして…………そう、思うの……かな」
「/幻/影/陣/…マヌーサが無くても、僕の攻撃は…、千影ちゃんに当たらないんでしょ…今は、ね…」
「……ふふ」

あには 少しだけ いじけた!
あには カッコ悪いことを 格好良く言った!

「そうか…………気になって……いたんだ……ね……。
 確かに……言っていなかった……かも……ね」



『これから開始する訓練は、
 難易度をSにする。
 私(千影)は攻撃・防御・反撃を行う。
  訓練の終了条件は、以下のどれかを満たすこと。
 ①千影(本物)に回復呪文を詠唱させる。
 ②あにがマホトーンを詠唱する。
 ③あにがルーラを詠唱する。
 ④どちらかの/死/亡/確/認/…/。
 ⑤アリアハン大陸に到着。
 ⑥あにが攻撃呪文を詠唱し、千影(本物)にダメージを与える。
 ⑦あにがホイミを詠唱する。』

「……前回《*新妹ドラ十二姫~拾壱 参照*》と……違うから…………ね……」
「んんー…?」
「分からないかい…………?http://m.ameba.jp/m/blogArticle.do?unm=moroi&articleId=11213584021&frm_src=article_articleNavi
 私が、躯に負う……ダメージや痛みは…………覚悟の上……さ……。
 遠慮せず……怖がらなくて……いいんだ…………。刃引きは……してある…………よ」

そんな馬鹿な。両腕を垂れた。
見事に答えをかわされている。でも納得してしまいそうだ。欲しい答えは決して、それじゃないのに。

 なにを のぞむの
  なにに なりたいの
   なにが たりないの

渇望。眠り足りない。爆発力が溜まらない。
あにの頭の隅に、【イオラ】と瞬く。
もういっそのこと、爆散してしまいたい。
掴まれたままの感覚に任せ、駆けた。振りかぶり、足元に払いを、一撃。右足を踏み出しての、刷り上げ。甲板を削った感触があった。構わず、振り切った。



続く