木彫鑿 (彫刻鑿) 叩き鑿編 | 尽貫のブログ

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泉州工作処の管理人が、木工工作、木彫、ミニだんじりから全然関係ない話まで色々お送りします。

叩き鑿(荒彫り用)
泉州工作処 無垢莉 鑿(のみ)といえば、様々な種類の鑿があります。

今回、木彫りの龍を販売したと言うこともあって、簡単にですが木彫鑿の種類を紹介したいと思います。(できれば今後細かく紹介もしたいと思います)

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上の写真に二本の鑿があります。上側は「追い入れ鑿」下側が「木彫鑿」です。

比較的、柄の部分は木彫鑿のほうが長いものが多いです。これは多分木彫りはあっち向けたりこっち向けたりと方向移動が多いのでしっかり握って玄翁で手を叩かない為にだと思います。

そして根本的に違うのが鋼の付け方と刃の形状です。
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平鑿。 右から木彫鑿、追い入れ鑿、建具鑿(向待)。

鑿は鋼「実際木を削る部分」と地金「軟鉄」の二層で出来ています。

非常に硬い鋼だけで鑿を造ると、割れやすく研ぎにくいという物になるので、地金を合わせることで柔軟さを持たせ割れにくく研ぎやすいものとなっています。

まず木彫鑿は鋼と地金が真二つに分かれ、耳(端)が鋭角になり作品の隙間などに接触しにくい形状となっています。なるべく薄く造られた鑿となります。

追い入れ鑿の鋼はコの字状に付けられ、耳は平坦部分が多く、比較的頑丈に造られています。建具鑿の耳は真っ直ぐです。


泉州工作処 無垢莉  泉州工作処 無垢莉
木彫鑿は、丸鑿の種類が多ければ多い程便利になります。

種類は極浅丸、浅丸、本丸、深丸、極深丸・・・と丸の深さでより便利になります。
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丸鑿の表と裏。
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裏丸鑿。裏丸は鋼が鑿の外側に付いていて、作品の縁の内側を丸く削ったりするときに使います。

あれば非常に便利です。
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三角鑿。主に筋を入れるのに使います。一本あれば良い思います。
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切り出し鑿。平刀では届かない時に使いますが、叩きではそれ程重要な気はしません。仕上げとなると話は別です。
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曲がり鑿(すくい)刃先だけが曲がった鑿。深い場所を彫るとき、作品の関係ない部分が当たってしまう時に使います。普通の木彫りではあまり出番がありませんが猫の手を借りたい時もあります。
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箱鑿/ヘリ上がり鑿。両端が上がった鑿。比較的大きな作品を荒落としする時にコレを使うと凄いイイです!けど、無くても構わない鑿でもあります。


鑿をこれから買われる方もいるかと思いますが、まず平鑿一本二本から始めて、木を削りながら、どうしても欲しくなった形の鑿を買い足すいう方法で鑿を集めるのが一番良いと思います。