質疑(村上委員) 

商工労働局から提案されているおもてなしトイレの関連になるのですが、営繕課による積算根拠について、お伺いします。
県民目線で考えると、トイレに約7,000万円以上の予算がかかることに関して、少し疑問に思います。今回の工事にかかる概算費用の内訳をお伺いします。

 

答弁(営繕課長) 

委員御質問のトイレについては、今年5月に消失しており、8月から新築の設計を進めており、現在もまだ設計中のため、概算費用となります。内訳としては、新築工事が4,275万9,000円、浄化槽の設置工事が2,235万4,000円、解体工事が784万6,000円の合計7,295万9,000円となります。

 

質疑(村上委員) 

今回のおもてなしトイレも、以前質問した福山駅前交番も同じですが、公共建築物を補正予算で支出した場合、金額が大変目立ちます。私もいろいろ見させてもらいましたが、営繕課では、関係局から言われたものを国の公共建築工事積算基準から出しているので、何をもって高い、安いとするのか、基準も難しいです。ましてや公共トイレを民間が造ることはほとんどないので、比較対象が自宅のトイレの感覚だと全く違ってくると思います。それを踏まえても、県民からするとトイレに7,000万円と言われても、高額なため話が止まってしまう気がします。
関係各所と連携して、県民に説明責任を果たすために、ホームページや県議会に対する説明資料で、もう少し丁寧に環境や状況を発信、説明することが重要だと思うのですが、当局の御所見をお伺いします。

 

答弁(営繕課長) 

今回のトイレの整備費については、先ほど申し上げたように、現在設計中のため、概略の数量から概算工事費を算出しております。このため、少し具体的な説明が難しいところですが、一般的に費用がかかる要因として、新築工事部分については、寒冷地仕様のための凍結防止設備や出入口の引き戸の設置に加え、移転設置するため、電気や水道の引込み工事が発生します。また、多目的トイレやオストメート、緊急通報装置などの特殊設備があることに加え、おもてなしトイレとして、温水洗浄便座などの整備もあります。
浄化槽については、一般の戸建て住宅では通常5人槽となりますが、今回160人槽を設置することになっており、費用がかかっています。
また、お話がありました公共建築工事積算基準について、若干申し上げますと、平成26年に公共工事の品質確保の促進に関する法律が改正されており、今後の担い手の育成確保において、適正な利潤が確保できるように、市場における労務、資材等の取引価格、施工の実態等を的確に反映した適正な予定価格の設定が発注者の責務として明確化されております。この法改正を受け、国土交通省では、発注関係事務の適切な運用のために、全国の公共工事発注機関において活用できるよう、公共建築工事積算基準等の普及を図っており、全47都道府県で採用されています。
今後も適正な設計、積算に努めてまいります。

 

意見・要望(村上委員) 

 

浄化槽を5人槽から160人槽に変えているところや、インフラの引込みなどにお金がかかることも、もちろん分かっております。先ほど言われた一般管理費や現場管理費、共通仮設費というのは民間企業であれば、独自で決められるので変わると思います。国の基準であれば、広島県独自で簡単に変えるわけにはいかないです。単純に市街地よりも遠隔地のほうが車や人の利用が少ないので、実は警備費などが安く済むのではないのかと思って、課長に聞いてみると、現場が遠くなり、輸送面から費用が高くなるだとか、工事関係者がわざわざ離れたところに来ていただけるのかといった計算も必要になるなど、聞いてみるといろいろな事情が分かってきます。
 大阪市営地下鉄のトイレも、100か所おもてなしトイレに切り替えたそうです。当時、100か所の集中工事でやったにもかかわらず、1か所当たり平均で2,600万円かかっており、合計で約30億円以上かかっていました。そういうことを考えると、ほかの施設や、おもてなしトイレの改修などにかかった費用について、他府県などと比較したら少し分かると思います。
 特に、今後の物価高などを想定していくと、今までの視点や考え方とはまた別に考える必要があります。世界では3Dプリンターを使って、大体1日で500万円の家が建てられる状況になりつつあります。こういったことなどを踏まえ、根本的に公共建築工事自体に対しての考え方を転換していく時期が来ているのではないのかと思っています。そういった視点を含めて、また来年度、質問させていただきますので、皆様ぜひとも御議論のほどよろしくお願いします。