質疑(村上委員) 

まず、自転車を利用する中高生の安全対策についてお伺いします。
 自転車は、ふだんの買物などの交通手段として利便性は高いのですが、自転車条例の制定や道路交通法の改正によって、自転車保険の加入やヘルメットの着用義務化が行われており、県民生活にも徐々に浸透しつつあります。
 そのような中、自転車の安全利用促進委員会という機関のホームページには、年齢別使用率は50代以上の中高年の割合が高い一方、各年代別の人口10万人当たりの自転車事故割合は中高生、15~19歳の割合が、ほかの年代に比べて著しく高い状況になっていることが紹介されておりました。その要因としては、中高生の自転車利用や交通に関する経験が浅く、交通事故の危険に対する認識が低いことや、自転車という車両を運転している意識や責任感が乏しいこと、さらに言えば、事故の発生場所、相手方、事故対応、事故要因などのデータに基づく具体的な説明が手薄であることが上げられております。要は、こけたり事故が起きたとしても、そのままどこかに行ってしまうだとか、言ってみたら、表面に出ていない事案がかなりあるということも、その理由として考えられるのではないかと思います。
 小学校は通学路が規定されておりますが、それとは異なり通学路が指定されない中高生の自転車通学に関して、通学経路の危険箇所を抽出して、これに基づく対策を講じることは難しいとは思うのですが、中高生に対する安全対策は重要な課題であると私は考えております。
 そこで質問ですが、令和4年の県内における自転車が関係する事故で、何人の方が負傷し、そのうち何人が登下校中の中高生だったのかをお伺いします。

 

答弁(交通部長) 

令和4年中の県内における交通事故で、880人の方が自転車乗車中に負傷されております。そのうち198人、構成率としては22.5%の方が中学生と高校生となっております。また、自転車乗車中に交通事故で負傷した中学生、高校生198人のうち、登下校中であったものは136人で、自転車乗車中の負傷者全体に占める割合は15.5%となっております。

 

質疑(村上委員) 

私の元には、広島大学附属福山の学校付近の道路で、歩道と自転車道が区分されたところで毎年数人が転んでいる場所があるという陳情が寄せられたのですけれども、その付近では、上ったところにハローズやTSUTAYAなど大型の店舗群があり常に交通量が多く、かなりな坂道で道幅も狭い道路環境になっております。このような自転車が関係する中高生の交通事故について、こけた場合、事故が起きた場合、警察、道路管理者及び学校関係者で情報共有を行うことがあるのか、お伺いします。

 

答弁(交通部長) 

安全対策が早急に必要と認められる交通事故が発生した際には、警察、道路管理者、学校関係者等が当該交通事故の発生場所に集合して、道路の環境整備など、交通安全対策を検討する現地検討会を開催し、交通事故の再発防止を図っております。また、管内の中学校や高校に対して、交通事故の発生状況や交通違反の指導警告状況について、資料の提供などを行っている警察署もございます。そのほかに、一部の中学校におきましては、警察、道路管理者、自転車通学をする生徒や教員などが参加して、通学路の安全点検などを行い、通学路における危険箇所に対する情報共有、改善を図っております。

 

質疑(村上委員) 

警察では、そこの箇所で、過去5年間で3件の交通事故を認知していたということでした。ただ、それも認知件数であって、表面上出ていないケースもあると思うのです。
 先ほど答弁で言われていた、早急に必要と認められる場合があるとして、認知件数に加え、さらに相当な、けがの状況とかがあったときにするのかと思われるのです。
 では、私がなぜ先ほどの事故を取り上げるのかといえば、その事故現場は、路面のたまり水の排出機能がある縁石で整備されており、構造上、自転車が転びにくくなっていて、すごくいい通学路になっているのです。それが、その一部分だけ、本当に一部分だけが全く整備されていない状況になっていまして、本来入ったらいけないのですけれども道が狭いし交通量もかなり多いので、ふと歩道に入ったときに転げているという状況があると思われるのです。しかも坂道で。そこの場所でよく転げているというのは、近所の町内会の人たちも言われていました。
 誠之館高校も明王台高校も、かなりな坂道なのです。そういった坂道で、しかも、通学経路の危険箇所で、学校からの出入りで必ず通る場所などで把握した危険が、道路管理者と警察にも共有されるべきだと思っているのです。今後、通学経路における安全に対して、どのような方策を考えられるのか、お伺いいたします。

 

答弁(交通部長) 

 

県警察といたしましては、中学生、高校生が関係する自転車事故の防止を図るため、引き続き学校や関係機関、団体と連携した中学生、高校生に対する交通安全教育の推進、街頭における交通指導取締りを推進するとともに、一般ドライバーに対しても、交差点における安全確認の徹底など、対自転車事故の防止を呼びかけてまいりたいと考えております。また、道路管理者をはじめとする関係機関、団体と連携して、全ての自転車利用者が安全・安心に走行できる自転車走行空間の整備を図ってまいります。

 

要望(村上委員) 

最後は要望なのですけれども、自転車通学に関わる中高生だけではなくて、このたびの手数料条例の改正、16歳以上であれば電動キックボードの利用が可能となるといった道路交通法の改正に照らし合わせると、中高生に対する交通安全教育の重要性は、これまで以上に高まると思われます。特に通学経路における危険認知などを含めて、生徒たちがより具体的に実感し、想像しやすい交通安全教室が必要ではないのかと私は思っております。特に広島県の高校、中学校は坂道の多いところがありますので、学校の中で事故に気をつけましょうというのも分かるのですけれども、そうではなくて、マッピングの中で、こういう危険リスクがありますとか、事故をした場合、こけた場合は学校に早急に知らせる。そして、その後の交通安全教室により生かしていくような形を、連携を取りながらお願いします。
 先ほども申し上げたように、警察、学校、道路管理者が連携した道路環境整備の取組、さらに言えば、通学経路における安全確保に向けた対策をより具体的に進めていただきたいことを要望します。