燃え広がって野原を焼くことから、物事の勢いが強くて防ぎようがないことのたとえをいう。

この言葉を台湾に留学中に知った。当時、燎原会という中国語を学ぶ大学生のサークルがあった。この言葉を聞くと瞼に浮かぶのが、奈良の若草山焼行事だ。

古都奈良の新年を飾る炎の祭典として、親しまれている。
冬の夜空を美しく彩る打ち上げ花火の後、山肌に点火された火が約33ヘクタールの全山に回り、古都の夜空に山全体が浮かび上がる情景はまさに壮観といえる。

今、季節外れの山焼きが始まった。ローマで点いた種火がイギリスで燃え上がった。そして今夜フランスに飛び火した。これから今年の8月まで世界中に人権の火をつけて走り回る。

みんな北京オリンピックが8月には開催されると信じているが、燎原の火を侮ってはいけない。