急性痛は、組織損傷の信号として知覚され、何らかの危険性が潜んでいるのか、痛みの発生源や強さについて、無視しても良い程度のものか判断することが大切である。

 一方、慢性痛の要因は、あまり知られていないようですが、以前から生理学者は、人の態度・信念・受け止め方で痛みが組織の損傷が治ってからも慢性痛として痛みが残ることを報告している。痛みは組織病変が治癒しても、持続して慢性化することがあり、病変が全く見当たらないような慢性痛がしばしば存在します。

 このように、患者は組織病変が存在していると痛みを受け止め続けてしまうことで、慢性痛が残ってしまうと考えられ、思い込みが回復を妨げていることがあると思われている。

 そこで、治療家である我々は、患者に対する重要なマネジメントにおける役割は、受け止め方を転換させることである。

 このことは、患者が他の物事で、悩み苦悩を持っていることで痛みが発生することがあり、自分の思っていること、期待することに物事が進まなくても受け入れる心の持ち方を伝えることも治療の中で重要と思われる。

 私自身、毎日の診療で感じることは仏教などの教えのように阿弥陀様に任せるような本願他力的な考えが大切である。