救急外来には3人しかいない。


そのうち2人は親子で、どーやら会計待ち。


ってことは、監督の私だけ?


左手選手は、いかにも闘いを続けるふり。


(鼻血は出続けてる。)


チーム外だか、ここのドクターにお世話になる。


その為には、出しておかねば…。ん?それでいいのか?


そして、すぐに名前が呼ばれた。


若いドクター、研修医っぽい。


口調は穏やかで、


すぐに耳鼻科のドクター呼びますって言ってくれた。


するともう1人研修医が出てきて、


鼻血ヤロウで汚れたティッシュをみて、


「ここへどうぞ」とゴミ箱を差し出してくれた。


なんて優しいんだ‼️


惚れてまうやろぉ‼️


耳鼻科の先生の準備が出来たらしい。


耳鼻科グラウンド(処置室)へ案内もしてもらう。


ここでお待ちくださいとベンチ(待合室)で待つ。


研修医2人がどうぞと処置室へ案内してくれた。


すると、そこには麻生久美子さんに似た先生が‼️


なんてきれいな先生だ‼️


そう思いながら処置室の椅子に座り、


鼻血ヤロウを何とかしてくださいと心の中で、


必死でお願いをする。


監督の左側にPCの大きな画面があり、


よく見ると先生の額帯鏡にカメラがついてる。


え?


右側の鼻の穴丸写し!


鼻血ヤロウがどこで大暴れしているのかが、


画面に大写し!


先生以外の研修医達にも丸見え!


((((;゚Д゚)))))))マジか!!


恥ずかしいーーーー。


鼻血が奥の方で塊になってる部分があるようで、


吸引して何度かベロロ〜ンと血の塊が取れた。


……。

あー、これは止まらないわ!


へ?


血管切れてるもん。


何ィ⁈


ほら、見えるここ。


(血管切れてるって、

 そりゃ左右両選手が頑張っても無理じゃん)


私に言ってるのかと思ったら、相手は研修医2人。


PC画面を覗きこみ、


そして耳鼻科の先生に促され実際に私の鼻の穴…


鼻血ヤロウが大暴れしている現場を確認してきた。


ギャー、見せもんじゃないよ!


でも仕方ないか。見た事ないって言ってたし。




じゃあ、焼きますね。


え?焼く?


麻酔しないと痛いから麻酔するね。


ま、麻酔?痛い?


麻酔薬の付いたガーゼを、


鼻の穴にグイグイ入れてくる。


すでに痛いよ!ガーゼ!!


このまま10分位して、鼻血ヤロウが出ている所を


電気で焼き始めた。


パチッ、パチッ!イテテテテ!痛いじゃんよ!!


いくら麻酔してても痛い‼️


そしてパチッとするたびに、


鼻の穴から白い煙が上がる…。


処置している先生の後ろで研修医がモニターを


ジーッと見てる。


ここね、ここ。ここ焼かないと止まらないから。


説明しながら、先生が研修医に見せてる。


あー、恥ずかしいけど、


これで鼻血ヤロウに勝てるなら…。


何度か白い煙をあげて、


鼻血ヤロウは出て来なくなった。


この耳鼻科のドクターの力で鼻血ヤロウに勝てた‼️


ありがとう、麻生久美子似の先生‼️


ハグしたい位だ。


左右両選手も握手したい位だ。


こうして長い長い闘いは終了を迎えた…。


時間は10時を過ぎていた…。


この闘い、最初から完敗じゃん。


血管切れちゃってんだもん。


チームドクターって、何⁉️


鼻血、侮ることなかれ…。